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法学研究科の大学院生がCASNET(サステイナブルキャンパス推進協議会)で発表
2025年11月7日(金)~8日(土)に北海道大学札幌キャンパスにて開催されたCASNET(サステイナブルキャンパス推進協議会)2025年次大会に、福岡大学大学院法学研究科民刑事法専攻の新野元大さん(2年次生)が参加し、学生発表部門で発表を行いました。
発表した新野さんに感想等を聞きました。
【論文タイトル】箱型アート万華鏡を通じて考えるサステイナブルキャンパス
【研究について】私は、環境法や環境訴訟、カーボンニュートラル(CN)、SDGsに関心があり、本学学生のCN教育の実践として、CNをテーマとした万華鏡の制作ワークショップを開催しました。
【発表内容】生活の中で、「環境問題」や「サステイナブル」という言葉をよく耳にしますが、実際に実践するためにはどのようにすれば良いのか、中々イメージすることが難しいと感じる人が多いように思います。「サステイナブル」とは直訳すれば、「持続可能な」という意味ですが、抽象的で、日常生活 とのつながりが見えにくい概念でもあります。 そこで私は、サステイナブルという考えを“言葉”ではなく“アート”で表現し、感覚的に理解してもらうことを目的として、箱型万華鏡の工作ワークショップを企画しました。この取り組みは、厚紙でできた箱の内部にペットボトルをリサイクルして作られた鏡を貼り付けた箱型の万華鏡を作り、それを通じてサステイナブル社会やCN について考えてもらうという工作のワークショップで、これまで大学のゼミや科学館、公民館で児童に向けて行いました。
使用する材料にも工夫を凝らしており、鏡にはリサイクルペットボトルを使用することで、実際にサステイナブルな素材を手に取りながら、サステイナブル社会について考えてもらえる機会になるようにして、本ワークショップでは、参加者にそのことについて簡潔に説明し、サステイナブル社会について身近に感じてもらえるように工夫しました。
取り組みの進め方としては、まず参加者に1週間前にテーマを伝え、各自で「サステイナブルとは何か」を調べて、自分なりの考えや意見をまとめてもらいました。その上で、箱の底や側面に“自分の思うサステイナブル”を表す絵や模様を描いてきてもらいました。
例えば、「自然」「共生」「リサイクル」「命の循環」等、サステイナブルをテーマとして自由に表現してもらいました。この事前準備を設けた理由は、単に工作をするだけで終わらせず、自分の中に問題意識を生み出してもらうためです。サステイナブルについての情報を自ら探し、考え、自分の言葉や絵で表現することで、サステイナブルを「知識」から「実感」に変えてもらうことを目指しました。
次に行った本ワークショップの様子について詳しく説明します。始めに材料の配布と説明を行い、その後、各自がサ ステイナブルを表現するために制作を進めていきました。作業の中では、「どうすれば自分のイメージやアイデアを作品で表現できるか」という点で、それぞれが試行錯誤を重ねていました。
海の絵を描いて「海洋環境の保全」をテーマにした学生や、植物や再生可能エネルギーのモチーフを取り入れた学生もいました。 全体としては、海の生き物や植物を書く人が多く、サステイナブルというテーマに対して、海洋や植物のイメージを持っている人が多いことを発見しました。
また、中には「人と人の繋がり」をテーマに、手を取り合う人々を描いた学生もいて、同じ“サステイナブル”という言葉をテーマにしても、参加者によって大きく異なる世界観が表現されていたのが印象的でした。
作品が完成した後は、全員で鑑賞会を行いました。ここでは、ただお互いに見せ合うだけでなく、「どんなイメージやアイディアを描いたのか」「なぜサステイナブル社会をこの絵で表現したのか」といった対話を通じて意見交換を行いました。 この「鑑賞と共有」の時間がこの取り組みで一番重要であると考えています。なぜなら、アートの魅力は、言葉を超えて相手の思いや考えを感じ取れることにあると考えているからです。
この万華鏡の工作を通じてサステイナブル社会のイメージやアイデアを作品で表現することのメリットは、言語の壁を越えて国際的にも伝わること、子供からお年寄りまでどの年齢の人にも分かりやすく伝えられるというある種のユニバーサルデザイン的であるということがあります。
言語では難しいことであっても作品にすることによって子供たちや言語の違う人々にも分かりやすく伝えることができると考えました。実際に参加した学生からは、「楽しみながらサステイナブルについて考えられた」「言葉で説明するよりも、自分の考えを作品で伝える方が伝わりやすかった」「ただ議論するよりも、作品を通すことによって、より活発に意見交換ができた」 といった感想が多く寄せられました。
アートを通じて互いの価値観・アイデアを共有することにより、相手の考えを尊重し、自分の視野を広げるきっかけになります。 また、サステイナブルという概念を「難しい環境用語」ではなく、「自分達の身の回りの選択や行動と繋がっているもの」として身近に感じてもらうことができたと思います。
今後の展望としては、この活動をキャンパス内に止めず、地域にも拡大したいと考えています。将来的には、今回のような本ワークショップを大学の近隣の小学校等で、出前授業として開催することにより、子供達に「楽しく学ぶサステイナブル体験」を届けることができ、知識と創造を結びつける教育プログラムにも発展させられるのではないかと考えました。
大学の役割として、地域社会のサステイナブル化、CN化のリーダーとし て、地域の意識の向上を目指し、未来のサステイナブルの人材を育成することがあると思います。サステイナブル教育というと、環境問題や社会問題で難しいイメージがありますが、それを“楽しく学ぶ”ことこそが、継続的な関心を生み出す第一歩だと私は考えています。
なので今後も、アートを通じて人と人が繋がり、環境と社会の両方に優しい意識を育てていくことを目指していきたいと思っております。
【発表した感想】
当日の発表では、緊張して早口になってしまったという反省点がありましたが、大きな声と明るい表情で、分かりやすく取り組みについて伝えることができ、会場では参加者の皆さんに興味を持って聞いてもらうことができました。発表の終了後には、会場にいる参加者の皆さんから多くの反響があり、質問も沢山していただきました。その際には質問を予測して回答を用意をしていたので、あらかじめ用意していた質問への回答用の図や画像を示して丁寧に回答することができ、本当に良かったと思っています。また、これまでご指導くださった先生方、そして生活面・精神面で支えてくれた家族や友人に、少しでも恩返しができていれば幸いです。