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第5回福岡大学カーボンニュートラル推進拠点シンポジウムを開催しました
イベント
10月9日(金)、本学の福大メディカルホールで、「第5回福岡大学カーボンニュートラル推進拠点シンポジウム」を開催し、159人が参加しました。
本学では、地球温暖化という世界規模の課題に対応するとともに、我が国が目指す2050年のカーボンニュートラル(CN)社会の創生に向けて、2022年4月に「福岡大学CN推進拠点」を設置し、CN推進プロジェクトを始動しました。今回は「脱炭素社会の実現に向けた高大連携教育の展開」をテーマに、本学CN推進拠点に関する取組紹介、高大連携に向けたCN推進拠点の取り組み(総合系列科目「福岡大学で考える現代社会」を受講した本学学生による発表)、高校生における活動紹介、福島国際研究教育機構で環境負荷の課題や、土壌のデザイン技術に造詣の深い同機構の土壌ホメオスタシス研究ユニットのユニットリーダーであられる藤井一至様による「土から考える地球環境と私たちの持続性」の講演等を行いました。
本学におけるCNの取組紹介
CN推進拠点実務責任者である山辺純一郎教授(工学部)から、2100年頃の日本全国における予想気温、近年における国内の最高気温の温度更新、世界における猛暑実態等を踏まえ、日本全国でCN達成に向けた大学等コアリションが設立された事を皮切りに、本学のCN推進における基本方針や組織図、同推進の実施例(水素脆化に伴う学会発表、国際学術論文の発表、同推進における学内でのキャンパスの緑化等の取組例等を紹介しました。
その後、赤木富士雄助教(工学部)から、CNに関わる人材育成について説明があり、本学関係者によってCNに関する全学部生を対象としたオムニバス形式の講義を行い、各学部の教員による講義を行い、受講学生にCNに関する総合的な学びを通し、自身で考察・判断し、行動できる素養の醸成を目指していること、本講義で学んだ事を高校生以下の若者(生徒さん)と共有する機会を設けることで、受講学生のCNに関する理解の深化と新たな気付き(知見)の習得を目指していること、受講学生が高校生に共有することは、高校生の段階でCNの現状を示した情報に触れ、CNに対する新たな考えを持つことに繋がり、他者と意見交換をしながら考えを深化させることに繋げることが可能との紹介がありました。
更に、「高大連携に向けたCN推進拠点の取り組み」について、総合系列科目「福岡大学で考える現代社会」を受講した本学学生から本科目を受講して学んだこと等を通して実際に若葉高等学校でCNに関する特別授業をグループディスカッションを交えて行い、本授業を通して同高校の生徒さんがCNや再生可能エネルギー、SDGsを想像以上に知っていたことが印象的でした。また、本授業を通して、同高校の生徒さんのCNに対する考え方が、CN実現にはメリット、デメリットの双方があること、CN実現の有無の決断を出すことは非常に難しいことを踏まえ、「CNについてよく知り、慎重に進める事が大事であること」という考えに変化したことを実感しました。CNに対してよく知り、正しい知識を身に着けること、考える事、周囲と話し合うことの大切さを学び、考えを深化させることができた旨の紹介がありました。
加えて、「海の環境問題に取り組む学生ワークショップに参加した本学学生による報告」では、①生物多様性|自然、②地域創生|地域、③海洋プラスチック|社会・企業、④海域の経済的価値|経済・技術の視点から海域環境を考察し、結論として環境保全を、地域・社会・経済にとって価値ある仕組みにする。そのために、自然環境の再生(沿岸再生・資源管理)、人・地域とのつながり(観光・交流・地域経済)、企業・社会の行動変容(国際ルール・企業取組)、経済・新技術の活用(ブルーエコノミー・AI)を取り組んでいくことで、「持続可能な海域環境の実現」を目指すことができることを学びました。本ワークショップでは他の大学の学生と一緒になって議論を行い、学生ならではの視点から解決策を提案するという経験ができ、学生の立場でもCN推進活動に取り組むことができます。
最後に、森田泰暢教授(商学部)から、「CN推進のシチズンサイエンス研究(100分de脱炭素(①読む②語る③実験する)」では、シチズンサイエンスとは、研究者だけではなく、市民が主体的に参加して行う研究活動のことを指し、本学では小中高生や一般の方を対象とした「100分de科学、100分de脱炭素」という取り組みを行っており、科学を読む(読書会)、科学を語る(研究者との対話)、やってみる(チェーンストアで手に入る材料を使用した科学実験)を行っています。
高校生における活動紹介
CN社会やSDGsの実現に向け、様々な取り組みを行っている福岡市内の3つの高校(福岡県立柏陵高等学校、福岡県立福岡講倫館高等学校、学校法人 福岡舞鶴誠和学園福岡舞鶴高等学校)の生徒から各高校の活動が紹介されました。
柏陵高等学校では、「環境科学コース」があり、環境の視点からSDGs(社会・経済・自然)の実現に貢献する人材の育成を行っており、生態系や自然のしくみについて学ぶことや、世界自然遺産を訪れ「人と自然のこれからの関わり方」について学び、全国から参加した環境学習に取り組む高校生達とフィールドワークを通した意見交流を行い、「地域の清掃活動」を始めることで地域社会の治安維持・改善を行いたい旨の紹介がありました。
福岡講倫館高等学校には「ボランティア同好会」という部活があり、ボランティア活動を通して地域貢献を行うことを目的として活動を行っています。学校行事の文化祭ではペットボトルキャップの回収を行ってゴミ分別を呼びかけ、ラブアースクリーンアップでは百道浜海岸清掃、定期的に校内周辺の地域清掃を継続して行っています。また、同校には100を超える開設科目があり、福祉科目の「ボランティア入門」でのボランティア実践報告や「社会福祉基礎」での福岡市のカーボンニュートラルについての探究活動及び高校生からできるエコ活動報告がありました。
学校法人福岡舞鶴誠和学園福岡舞鶴高等学校では、災害復興支援ボランティアを行い『誰かのために、自分から働く』という経験が、社会の課題を自分事として考えるきっかけになったことや、環境を守る活動(CO₂を減らすこと、資源を大切にすること、自然を守ること)や行動する人を育てる(気づく、考える、自分から動く)という事を通して環境問題も自分事として行動できる人を育てている旨の紹介がありました。
福島国際研究教育機構土壌ホメオスタシス研究ユニットユニットリーダーの藤井一至様による講演
「土から考える地球環境と私たちの持続性」をテーマに講演会が行われました。藤井様は、人の健康は土の健康と関係していること、食料やスマートフォンも土から生まれること、土とは岩が分解したものと死んだ植物か混ざったものからできる物質であること、土は母材、気候、生物、地形、時間次第で違う土、働きになること、土の鉱物と生物の相互作用から生じた副産物に人間は依存していること、植物に必要な栄養素が行き届かず、作物の収穫量が減少してしまうことが肥沃度低下や土壌劣化に繋がっていることをご講演いただきました。また、地球の陸地約11%に約60億人の食料生産を依存しており、土は運ぶこともできず、新たに作ることができない実態があり、持続的に資源利用ができないとそれが貧困や飢餓、戦争に繋ること旨のご講演をいただきました。