入選作品
全国249校の19,574人から応募がありました。
厳正なる選考(選者は、氏名や学校名等を伏せ作品のみで評価)の結果、金賞〔福岡大学長賞〕、銀賞、銅賞、特別賞〔全日本川柳協会賞〕、特別賞〔西日本新聞社賞〕、特別賞〔NHK福岡放送局長賞〕、特別賞〔紀伊國屋書店賞〕、特別賞〔福大生が選ぶ賞〕(4作品)、入賞(45作品)、学校賞(10校)を選出しました。
神奈川県
神奈川県立厚木西高等学校
3年 清水 輝
作品評価
君に何とか触れる機会はないかと思案した結果、つまずいたふりをして背に触れることを思いつく。思わず「あ、ごめん」と言い、照れた顔が思い浮かぶ。背に触れた感触が手に残るが、想いを告げられずにいるといった初々しさや甘酸っぱさを感じる。まさに高校生らしい青春を表現した作者の心の動きが読み取れる素晴らしい作品。
福岡県
つくば開成福岡高等学校
2年 田中 颯
作品評価
高校生は、今後の進路など他者と比較し、プレッシャーを感じる。周りに流されることなく、自分のペースで着実に進みたいと願う気持ちや、強い意志を列車に置き変えて分かりやすく表現している作品である。自分をしっかり持ち、目標に向かって進んでいく姿に頼もしさも感じた。
神奈川県
神奈川県立厚木西高等学校
3年 柏栁 周人
作品評価
思春期に、親に面と向かって気持ちを伝えるのは、何だか恥ずかしい。それが感謝の言葉であればなおのこと。しかし心に積もる気持ちは伝えたい。スマートフォンではそれを伝えることができるといった現代の高校生の姿を表した作品。家族とのコミュニケーションの形態変化も匂わせた作品である。
徳島県
徳島県立小松島高等学校
2年 川下 二葉
作品評価
(評:全日本川柳協会・梅崎 流青 氏)
昼食を告げるチャイムが鳴る。このお弁当を開ける瞬間は少なからず胸が高なるときめきタイムでもある。今日のおかずは。そのいくつかは昨晩の温めものだが丹精の卵焼きは母から子へのメッセージでもある。あ、今日はメッセージが入ってない。毎日仕事と家事を切り回す母。明日は早起きして卵焼きでも習うか。
福岡県
福岡大学附属若葉高等学校
3年 中原 綾華
作品評価
(評:西日本新聞社・川原 隆洋 氏)
昨日がある。今日がある。明日がある。そういう日常の中で「また明日」と言える相手がいる。いつもの道で、いつもの言葉。でも、そこに幸せが満ちあふれている。いつもの「当たり前の日々」に私自身もありがとうと言いたくなった。特別なもの、作られたものではなく、何気ない生活の中にきっと“幸せ”がたくさんあるのだろう。
福岡県
福岡大学附属若葉高等学校
2年 池田 把奏
作品評価
(評:NHK福岡放送局・有田 康雄 氏)
今回、スマートフォンにまつわる秀作がいくつも寄せられた。中でも光っていたのが、人の心に潜む現代の闇を鋭く表現したこの作品である。世界的に見ても、SNSでの中傷が原因で起こる痛ましい事件は後を絶たない。若い人の「指」は、人を撃つのではなく、未来を切り開くものであって欲しいと切に願う。
福岡県
福岡大学附属若葉高等学校
1年 小川 ジュリア 洋子
作品評価
(評:紀伊國屋書店・武藤 和男 氏)
登校のバスを待つ間に雪が降りだしたのだろうか、でもバスは来ない。周りの人の傘に積もりゆく雪が時間を教えてくれる。傘を持つ手の雪の重さにも時を感じる。この情景を「雪時計」という表現する感性が素晴らしい。バスが遅れて遅刻すると作者は焦っているのかもしれない。
大阪府
大阪市立高等学校
1年 長谷川 大起
作品評価
(評:学術文化部会常任幹事会幹事長 渡 宥大)
なんでも略してしまう近頃の若者を、上手な言い回しで表現できていると思います。思わず、「それな」と共感してしまいました。
福岡県
福岡大学附属大濠高等学校
1年 㠶足 早夏
作品評価
(評:学友会総務委員会委員長 峰 咲良)
母が誕生日に「おめでとう」と言われ、歳をとることに対して「うれしくない」と答えるが、子から祝われることがうれしくもあるという親子の素敵な関係性が表現されています。
東京都
東京都立向丘高等学校
1年 松澤 真吾
作品評価
(評:第66代文芸部幹事 立山 雄飛)
ハシビロコウとは、直立不動でめったに動かない生態が話題になった大型の鳥であり、近年のトレンド的生物を恋愛における暗喩として用いる意外性に脱帽しました。
大阪府
大阪府立農芸高等学校
2年 森 龍斗
作品評価
(評:体育部会常任幹事会幹事長 前原 豊礼)
大会で負けた後の悔しい気持ちで寝転んで空を見ると、広く青い空があり、すがすがしい気持ちになったことが共感できるとても良い作品だと思いました。

作品 |
氏名 |
高校所在地 |
高校名 |
学年 |
朝の葉の 露よりまぶしい 君の笑み
| 青山 和輝 |
大阪府 |
大阪教育大学附属高等学校池田校舎 |
1 |
流れ星 見えても言えない 願いごと
| 赤尾 健史朗 |
福岡県 |
つくば開成福岡高等学校 |
3 |
やばいやばい 喜怒哀楽の 共通語
| 浅野 紗香 |
青森県 |
青森県立青森西高等学校 |
1 |
肩浸かり 立ちし湯煙 祖父薫る
| 有馬 北斗 |
福岡県 |
福岡県立小倉東高等学校 |
3 |
夏の夜 網戸に集う Many蛾蛾
| 池原 乃隹 |
鹿児島県 |
樟南高等学校 |
3 |
既読待つ 時間はドキドキ 止まらない
| 大﨑 愛未 |
兵庫県 |
姫路市立琴丘高等学校 |
2 |
父諭す スマホ持つより 夢を持て
| 大田 洋輔 |
佐賀県 |
早稲田佐賀高等学校 |
2 |
花火さえ かき消す鼓動 横の君
| 岡田 大和 |
群馬県 |
群馬県立高崎工業高等学校 |
3 |
ネットより 現実見れば 視界良し
| 梶原 葵 |
福岡県 |
福岡大学附属若葉高等学校 |
2 |
祖父の目に 花火がうつる 夏の夜
| 加部 茉鈴 |
群馬県 |
群馬県立高崎工業高等学校 |
3 |
いただきます かわりに響く シャッター音
| 河村 樹里 |
山口県 |
野田学園高等学校 |
1 |
ありがとう 言葉が言えず 指頼み
| 金城 咲良 |
沖縄県 |
沖縄県立北山高等学校 |
3 |
置き傘を ないフリ君と 帰り道
| 近藤 快生 |
大阪府 |
大阪高等学校 |
3 |
カット代 家族の誰より 犬高い
| 齊田 千聡 |
福岡県 |
福岡大学附属大濠高等学校 |
1 |
「故意」は「恋」 「意図」は「糸」と 想いたい
| 齋藤 陽大 |
福島県 |
福島県立福島商業高等学校 |
2 |
「また来るね」 ゆっくり帰る 茄子の牛
| 島内 珠寿香 |
長崎県 |
純心女子高等学校 |
1 |
AIに 勝つ方法を Siriに聞く
| 島口 拓 |
徳島県 |
阿南工業高等専門学校 |
1 |
ウルトラマン 僕と父との 架け橋に
| 清水 翔太 |
福井県 |
福井県立福井商業高等学校 |
3 |
味方だよ その一言に 救われた
| 神野 明日香 |
愛知県 |
愛知県立東郷高等学校 |
2 |
今日もまた 笑ってみよう 自分から
| 鈴木 一誠 |
鹿児島県 |
樟南高等学校 |
1 |
SNS 使えぬ祖母の SOS
| 角田 匠 |
山口県 |
野田学園高等学校 |
3 |
バスの中 ブレザーの色に 染まる朝
| 関 こゆき |
茨城県 |
つくば開成高等学校(守谷学習センター) |
3 |
「あたりまえ」 その日常に 感謝して
| 瀬戸 美咲 |
熊本県 |
熊本県立水俣高等学校 |
2 |
別れ際 まだ話したい 交差点
| 髙橋 椎那 |
福島県 |
福島県立福島商業高等学校 |
2 |
抜かされた 悔やむ母は 嬉しそう
| 髙道 梨沙 |
北海道 |
北海道札幌東陵高等学校 |
3 |
届くかな 人生初の 我が一票
| 竹内 晴彦 |
愛知県 |
愛知県立東郷高等学校 |
3 |
LINEきた だれだろだれだろ 親父かよ
| 武原 弘真 |
沖縄県 |
沖縄県立美里工業高等学校 |
3 |
初夏の風 袴に纏いて 弓を引く
| 谷内 雄亮 |
秋田県 |
秋田県立秋田北高等学校 |
1 |
故郷の 夏夜に響く 波の音
| 玉上 正真 |
大阪府 |
常翔啓光学園高等学校 |
1 |
「好きです」は 花火の音に かき消され
| 土橋 奈央 |
埼玉県 |
埼玉県立新座総合技術高等学校 |
2 |
いつの日か この敗北が 勝ちとなる
| 徳永 明 |
長崎県 |
長崎女子高等学校 |
3 |
うちのイヌ 人に合わせて ネコかぶる
| 中園 琴音 |
熊本県 |
熊本県立済々黌高等学校 |
3 |
サンダルの 靴擦れ染みる 田舎道
| 中矢 怜奈 |
愛媛県 |
済美高等学校 |
2 |
桜より 眼(まなこ)のかゆみ 春感ず
| 野中 輝也 |
福岡県 |
福岡大学附属大濠高等学校 |
1 |
しわくちゃの 笑顔に会いに 盆休み
| 久田 夢佳 |
福岡県 |
福岡県立久留米高等学校 |
2 |
帰省終え 重い荷物は 祖母の想い
| 藤永 悠生 |
大阪府 |
大阪市立高等学校 |
1 |
徹夜明け 私のまぶたは 愛し合う
| 真子 裕花 |
福岡県 |
福岡県立福岡農業高等学校 |
2 |
母が言う 「誰に似たんだ」 あなたです
| 松木 愛莉 |
愛媛県 |
愛媛県立松山商業高等学校 |
2 |
セルフレジ 機械おんちで 列つくる
| 松村 千寛 |
高知県 |
高知市立高知商業高等学校 |
3 |
テスト前 やる気あるのは 計画表
| 松本 絢 |
群馬県 |
高崎商科大学附属高等学校 |
2 |
低身長 まだ見ぬ高みに 夢を見る
| 三浦 優衣 |
山形県 |
山形県立酒田光陵高等学校 |
3 |
五時間目 まぶたと戦 首落ちる
| 御厨 悠太 |
愛知県 |
愛知県立東郷高等学校 |
3 |
祖母と母 言いあいの末に 同じ顔
| 水戸 陸人 |
東京都 |
足立学園高等学校 |
1 |
一夜漬け 十分後には スマホ漬け
| 武藤 優月 |
福岡県 |
福岡県立中間高等学校 |
2 |
パスワード 管理するにも パスワード
| 山本 遥 |
兵庫県 |
姫路市立姫路高等学校 |
3 |
※敬称略
※受賞者氏名の五十音順に掲載
入賞作品について
愛知県 愛知県立東郷高等学校
大阪府 大阪市立高等学校
神奈川県 神奈川県立厚木西高等学校
群馬県 群馬県立高崎工業高等学校
鹿児島県 樟南高等学校
福岡県 つくば開成福岡高等学校
山口県 野田学園高等学校
福岡県 福岡大学附属大濠高等学校
福岡県 福岡大学附属若葉高等学校
福島県 福島県立福島商業高等学校
※学校名の五十音順に掲載
第15回全国高校生川柳コンクール選考委員
- 学長
- 副学長
- 事務局長
- 図書館長
- 入学センター長
- 就職・進路支援センター長
- 田坂 順子 人文学部教授
- 安元 佐和 医学部教授
- 須長 一幸 教育開発支援機構准教授
- 梅崎 流青 氏 (全日本川柳協会 常任幹事)
- 川原 隆洋 氏 (西日本新聞社編集局報道センター 社会部次長)
- 有田 康雄 氏 (日本放送協会福岡放送局 放送部専任部長)
- 武藤 和男 氏 (紀伊國屋書店 専務取締役)
- 峰 咲良 学友会総務委員会委員長
- 渡 宥大 学術文化部会常任幹事会幹事長
- 前原 豊礼 体育部会常任幹事会幹事長
- 立山 雄飛 第66代文芸部幹事
- 学生広報サポーター(グーミーズ)