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2022914
教育
研究

「ジェンダー研究について②~研究を始めたきっかけ~」-人文学部教育・臨床心理学科の藤田由美子教授 ー

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福岡大学人文学部教育・臨床心理学科の藤田由美子教授を2回にわたって紹介しています。今回は、研究を始めたきっかけや今後の目標について話を聞きました。


研究を始めたきっかけについて教えてください

「ジェンダー」研究を始めたきっかけは、幼少時から学校生活や日常生活で常に感じてきた「女らしさ」「女性としてあるべき姿」への素朴な“違和感”が、「ジェンダー」という言葉との出会いによって確たる「問い」として形をなしたという強烈な原体験にあります。一般名詞としての《わたし》が抱く“違和感”は、世の中に投げかけられるべき「問い」であること、そしてそれは、決してその恩恵を受けられない者が抱く個人的な「ひがみ」ではないことを証明するため、ひたすら研究してきたのかもしれません。

大学院時代は分析手法と研究の視点について暗中模索の日々を過ごし、修士論文では学校放送番組とテレビアニメ番組の「性役割」分析を行いました。その経験が後に研究分野となる「子ども」「ジェンダー」というキーワードに繋がっていったと考えています。

子ども向けのテレビ番組の分析自体は、当時の指導教官より提示されたものでした。しかし、本や雑誌、マンガや映像作品が描き出す世界にある、ジェンダー・ステレオタイプなどの歪みが存在すること(そもそも正しく世界が描かれているわけではない)、それが受け手(読者・オーディエンス)によってどのように読み解かれるのか、非常に奥深いテーマだと感じるようになりました。

大学院時代の藤田教授

幼児へのインタビュー

−今後の研究の目標について教えてください

まだまだ現役の研究者として新たな研究に取り組みたいと考えています。

これまでの研究で得た知見を社会に還元する活動は継続しつつ、「ジェンダー構築」を研究する研究者はあまり多くないので、今後は後進の育成に少しでも役に立ちたいと思っています。

昨今の調査研究をめぐる環境は厳しいですが、教育社会学は実証調査が生命線ですので、子育て支援言説やスポーツ言説において見いだされたジェンダーに関する知見を実証するため、フィールドワークやインタビューなどの質的調査研究を再開する予定です。


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顔写真_藤田.jpg
「ジェンダー研究について①~研究内容~」-人文学部教育・臨床心理学科の藤田由美子教授 ー