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202396
医療

7月豪雨被害:薬学部・江川孝教授が「災害医療コーディネーター」として災害復旧活動に従事

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福岡大学薬学部の江川孝教授(専門分野:災害医療・災害薬事)は、2011年3月の東日本大震災の被災地で薬剤師が不足していることを知り、災害医療の道へ進むことを決めました。

以来、国内外で発生する地震や豪雨災害の被災地で活動を続けています。2020年2月に大型客船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きた際には、厚生労働省の要請を受け、DMAT(災害派遣医療チーム)の一員として薬の調剤などを担った経験もあります。

また、昨年はウクライナから避難した方々を支援するため、ウクライナの隣国・モルドバで活動を行いました。

今回、7月に福岡県を襲った豪雨被害に対する支援活動の様子を聞きました。


先ずは今回の災害で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

7月7日(金)からの大雨災害に対して、福岡県は久留米市など9市町村に災害救助法の適用を決定しました。この適用により福岡県は、関係課および保健所職員、災害医療コーディネーター、災害薬事コーディネーター等で構成される「保健医療福祉調整本部」を設置しました。

今回、私は、「災害医療コーディネーター」として、福岡県庁に設置された「保健医療福祉調整本部」にて、災害復旧活動に従事しました。

活動初日(7/10)は、出張先の宮崎から空路福岡に戻り、そのまま県庁に向かい、被災情報の収集・分析にあたりました。

翌日(7/11)、県庁に登庁するとすぐに、「福岡県薬剤師会に対し、災害薬事コーディネーターの派遣要請を行いましょう」と薬務課に提案し、その後一旦、講義のため大学に戻りました。講義後、県庁に戻ったところ、既に災害薬事コーディネーターが本部に派遣されており、私は、災害薬事コーディネーターと共に、被災薬局や医薬品卸の稼働状況をスクリーニングしました。

また、避難所の環境衛生アセスメントや地域中核病院の薬剤部支援、厚生労働省からの災害通知の確認といった薬事対応の総合調整も行いました。

今回の災害対応は、災害薬事コーディネーターの名称が第8次医療計画等に関する意見のとりまとめで提示された後、DMAT調整本部と災害薬事コーディネーターが情報連携をして薬事対応を行った日本で初めての事例になりました。

活動4日目(7/13)は、日本DMATロジスティクスチームの隊員として、田主丸中央病院内の支援指揮所に入りました。そこでは、病院の浸水被害からの復旧のために、早期の外来診療再開に向けたライフラインの整備、院内調剤や院外処方箋応需についての総合調整を行い、私の一連の活動を終了しました。


 

手前左から2人目、PC操作する江川教授 

田主丸中央病院での支援活動

なお、福岡大学病院では、福岡県からのDMAT派遣要請により、田主丸中央病院にDMAT5人の隊員および本学関係者を派遣しました。※FUKUDAism記事は、こちら


 

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