動画「福岡から台湾へのラブレター」を公開
台日交流デザイナー　荒木 美香さん（2007年人文学部英語学科卒業）

福岡大学在学中のさまざまな国際交流がきっかけで、日本と台湾の交流促進を目指し、起業した荒木美香さんを2回にわたって紹介します。荒木さんは「ここ（福大）から全てが始まりました。国際交流の原点は福大です」と話します。

今回は、本学在学中の国際交流や留学経験、現在のお仕事についてお話を伺いました。

在学中から交友が続く台湾人の友人と（右が荒木さん）

バイクで訪れた台南のフルーツ店にて

• プロフィール
  名前：荒木 美香（あらき・みか）
  経歴：熊本県出身。高校卒業後、社会への知見を増やすべくアルバイト生活へ。参加したボランティア活動を通して、社会課題とビジネスの関係性に興味を持ち、総合大学への入学を目指す。2003年、22歳の時に福岡大学に入学。在学中は2度イギリス留学を経験。学内で台湾人留学生との親交を深め、台湾に興味を持つ。卒業後は、株式会社リクルートに入社し、情報誌の営業を経験。2011年には台北で交流事業の会社を起業。2016年からは、台湾と福岡を拠点に交流促進を目指し、台日交流デザイナーとして活動。2020年8月に動画「福岡から台湾へのラブレター」を公開。再生回数2万回を超えた。

－福岡大学在学中の国際交流や留学経験の話をお聞かせください。

在学中はイギリスへ2度の短期留学を経験しました。1度目は2004年、英語学科のプログラムでイギリスのバース大学へ夏季留学をしました。1カ月間の短い期間ではありましたが、旅行ではなく実際に生活してみることで、さまざまな国籍の人が共に学んでいる環境に身を置いたり、習慣の違う生活を送ったりと、たくさんの“初めて”を経験しました。これが私のスイッチとなり、より深く国際交流に関わりたいと翌2005年のロンドン短期留学につながりました。留学中、日本とイギリスでは全く異なる当たり前が存在していることを実感し、価値基準の違いを目の当たりにしました。その経験が、価値観の違う人との共存や多様性を受け入れながら生きることは楽しいと感じるきっかけになりました。

留学以外の国際交流は、学内で台湾からの留学生と親交が深まったのを機に、週に１度互いの言語を学び合いました。留学経験はあるものの、初めてしっかり外国人と関わった時間でした。このことが後の私の仕事につながるきっかけとなりました。また、人文学部英語学科教授のTim Cross先生によるドキュメンタリー映画を題材にした授業は特に印象に残っています。アメリカの映画が教材になった際、その映画の監督を福岡大学に招くことができないかと提案したところ、それが実現することになりました。映画の上映会だけではなく、監督を囲んでディスカッションを設定するなど、多国籍な視点で一つの物事について話す貴重な経験となりました。この在学中の経験が、表面的ではなく深い国際交流を行うことの面白さを感じる原点となっています。

－荒木さんにとって国際交流とは何ですか。

「新しい価値観との出会いの場」「視野を広げ成長する機会」
国際交流の場面では、これまでの常識が通用しないことも多いように感じます。だからこそ、価値観が揺さぶられ自問自答が促されます。その機会が自己形成につながったり、社会人になってからも次のステップへ成長するチャンスになったりと貴重な体験だと考えています。

－現在のお仕事内容・やりがいを教えてください。

現在、「台日交流デザイナー」としてフリーランスで活動しています。台湾で現地の生活体験ができるプログラムをプロデュースしたり、福岡県内でも台湾人留学生を招いた地域生活体験を実施したりと、台湾と日本の関係性が深まるような交流活動に力を入れています。

「リアルな地域文化との出会いの接点を顔の見える形でつくることができる」これこそが台日交流デザイナーの価値であり、やりがいだと感じています。訪れた町が友達のいる町になると、一気に親近感を感じませんか？私がプロデュースしている企画のゴールの一つは、台北・福岡双方で「◯◯さんに会いにまた台北・福岡に行きたい」と思ってもらうこと。単なる旅行ではなく、現地の文化や生活をそこに暮らす人々との交流を通して設計しています。

台北のシェアハウスで企画したイベントの集合写真（前列右が荒木さん）

台湾からの留学生と田川市の方と餅つき交流

〈携わったプロジェクト紹介記事リンク〉

• 台湾微住計画
• 西日本新聞オンライン：台湾と友好もっと深く　田川でプロジェクト、日台2女性立ち上げ