福岡大学薬学部では、毎年5月と10月に卒後教育講座を開講しています。本講座は市民公開講座として、薬剤師のみならず在学生や一般の方を対象に、薬剤師を取り巻く最新の状況や基礎研究のトピックスなどについて最新の話題を提供するものです。
10月26(土)には、第63回薬学部卒後教育講座として「救命救急とチーム医療」をメインテーマに講演が行われ、62人の方が参加がしました。
仲村佳彦主任教授(本学医学部救命救急医学講座)は、「救命センターにおける多職種が果たす役割」を演題に、本学病院救急救命センターに搬送されてきた重症患者の初期治療、集中治療、事故等の現場へ出ての治療、災害時医療について話しました。また、能登半島地震の際のDMAT派遣や新型コロナ感染症の診療時の事例などについてもし解説し、医師や、看護師だけでなく、薬剤師を含め救急医療に関する専門資格を持った多くのスタッフが協働していることを紹介しました。
中野貴文准教授(本学薬学部)は、「救急領域における感染症治療とミトコンドリア機能」を演題に、救急領域ではさまざまな感染症が問題となり、それらにどの抗菌薬を選択するかが重要であることを紹介しました。また、感染が原因で臓器不全が進行する敗血症では、抗菌薬の血中濃度の維持が重要であること、そのためには患者さんの全身状態の観察や多職種との連携が重要であることを開設しました。さらに、敗血症を治療するための細胞内ミトコンドリアを用いた研究や臨床試験についても紹介しました。
参加者からは先生に臨床現場での疑問点などについての多くの質問がありました。新興感染症や災害はいつ起こるか分からないため、薬剤師の一層の活躍が期待されます。
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