株式会社日建設計 新領域開拓部門 イノベーションデザイングループ
Nikken Wood Lab ラボリーダー
大庭 拓也さん(2005年工学部建築学科卒業)
「つくればつくるほど生命にとって良い建築を」をマニフェストに、日建設計で都市建築の木質化に向けたさまざまなプロジェクトを行う大庭拓也さん。後編では、現在のお仕事の内容や今後の抱負を伺い、在学生へのメッセージも頂きました。
-現在のお仕事内容・やりがいを教えてください。
入社以降、国内外のさまざまな設計プロジェクトに関わっていますが、現在はそれらと並行して社内ベンチャー組織「Nikken Wood Lab」のラボリーダーとして都市の木質化について研究し、森林資源の循環、国土保全を目指して活動を進めています。
中でもLabで開発した木質ユニット「つな木」においては、オフィスの木質化やコロナ対策の医療ユニット、遊休地の利活用などの社会課題に対して、社内外のコラボレーションによって解決に向けたアクションを続けています。
ー今後の抱負をお聞かせください。
日本は国土の3分の2が森林で、そのうちのおよそ4割が戦後に植樹された人工林です。戦後から現代にかけて十分に育ち「使いどき」を迎えている木がたくさんある今、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林のサイクルを形成していくことが大切と感じていますし、自身が生まれ育った地方の風景を守ることにも繋がると思っています。
そうした視点で、今後も都市の木質化、つな木SDGs、地方創生を目指して精力的に活動を続けていきたいと考えています。

Nikken Wood Labが目指す「都市の木質化」「つな木」「SDGs」「地方創生」のイメージ

「伐って、使って、植えて、育てる」森林のサイクル

政府広報番組に出演し、「つな木」の説明をする大庭さん
-最後に、福岡大学で学ぶ後輩へのメッセージをお願いします。
大学を卒業して十数年が経とうとしていますが、フェーズごとにゴールを定めながら計画的に動くことと、環境や状況に合わせて柔軟に適応していくことを繰り返してきたように思います。その中で多くの人と出会い、学び、学生の頃に芽生えた思いやイメージが少しずつ社会に向けたアクションに繋がりつつあることにやりがいを感じています。
後輩の皆さんが、今、大切にしている物事はきっと未来を切り拓く原動力になるはずです。今後も多くのハードルや苦難があると思いますが、ぜひ原点を大切に自分らしく前向きに挑戦し続けてください。僕も頑張ります!

十勝のポロシリ自然公園に設置した「つな木」ドーム(直径約6m)

ワークショップで子どもたちと一緒に「つな木」を製作