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2021128
卒業生

"つくればつくるほど生命にとって良い建築を" ~日建設計・大庭 拓也さん(前編)~

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株式会社日建設計 新領域開拓部門 イノベーションデザイングループ
Nikken Wood Lab ラボリーダー
大庭 拓也さん(2005年工学部建築学科卒業)

「つくればつくるほど生命にとって良い建築を」をマニフェストに、日建設計で都市建築の木質化に向けたさまざまなプロジェクトを行う大庭拓也さん。前編となる今回は、福岡大学に進学した理由や、現在の仕事を志した理由などについて伺いました。


  • プロフィール
    名前:大庭 拓也(おおば・たくや)
    経歴:2005年に福岡大学工学部建築学科を卒業。その後、東京工業大学大学院に進学し、建築と地球環境について研究した。2007年に株式会社日建設計に入社。「つくればつくるほど生命にとって良い建築」を自身のマニフェストとし、都市建築の木質化に携わっている。現在、その実証実験として「つな木」プロジェクト等を推進中。社内に自主組織「Nikken Wood Lab」を発足させ、2021年より正式組織化。現在ラボリーダーを務める。
    主な設計担当:有明体操競技場、選手村ビレッジプラザ、渋谷区北谷公園など
    主な受賞:農林水産大臣賞、環境大臣賞、林野庁長官賞、グッドデザイン賞、JIA 優秀建築選など

-​福岡大学に進学したきっかけを教えてください。

北九州市若松区に生まれ、玄界灘と石嶺山系に囲まれた小さな農村集落で育ちました。祖父母は専業農家で、毎日の食卓にはいつも田畑で育てられた野菜が並んでいました。

また、父は福岡大学工学部土木工学科(現:社会デザイン工学科)の卒業生で、都市計画関係の仕事に従事していました。普段から、父が関わるまちづくりや建造物を見学することが多く、生活環境の中で「ものづくり」や「まちづくり」に自ずと興味を持つようになり、その両方を専門的に学ぶことができる建築学科への進学を決めました。

玄界灘と石嶺山系に囲まれた故郷の風景

実家の持山で毎年恒例の筍堀(幼少期)

都市計画関係の仕事をしていたお父様

-福岡大学での4年間の思い出や、印象に残っているエピソードをお聞かせください。

福岡大学での4年間は、大学の授業とボクシングジムでのトレーニングに没頭する毎日でした。建築学への興味がどんどん深まり、大学の講義は常に最前列で受講、単位も必要以上に取得するという性にも合わないガリベンで、4年次生の時には特待生に選んで頂きました。少しは親孝行ができたかなと思います(笑)。

また、同じく4年次に東京デザイナーズウィークというイベントに家具を出展しました。デザインした家具は、樹木の幹や枝の形をそのまま生かしたもので、思い返すとこの頃から建築や空間における木材利用の可能性について意識し始めていたのだと思います。


東京デザイナーズウィークに出展した「樹木」を活用した作品

-福岡大学卒業後、現在のお仕事をされるまでの経緯や、現在のお仕事を志した理由を教えてください。

学部卒業後は東京工業大学の大学院に進み、安田幸一研究室に入りました。大学院では研究室のプロジェクトに関わり、設計の実務における専門技術を学びました。その中で、建築や都市をつくる行為は創造的な側面もありながら、同時に環境にネガティブな影響を与える恐れもあることを学び、「つくればつくるほど生命にとって良い建築」が自身のマニフェストになりました。

植物や生態系、木材利用など、建築と地球環境との関わりについての考察を続け、当時「環境建築」をひとつのゴールに掲げていた組織設計事務所である日建設計への就職を希望し、2007年に入社しました。

 

1/5モックアップで水の流れと植栽の生育を確認する大庭さん

大地(土)が高層階へと連続する構造システムの発案

木材利用による環境改善をテーマに提案した「次世代木造集合住宅」


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"つくればつくるほど生命にとって良い建築を" ~日建設計・大庭 拓也さん(後編)~