13 法律学は、ローマ法以来、2000年以上の伝統を持つ学問です。天にそびえるゴシック教会のように、古代・中世・近世・近代と、礎石からはじまって尖塔まで、営々として積み上げられ、いまなお建築中の学問です。緻密にして重厚、広大にして深遠な学問です。人類が長い年月をかけて築き上げてきた法律学の伝統を謙虚に学び、若い皆さんに伝えることも、われわれ福岡大学法学部スタッフの使命です。 福岡大学図書館の一室に「貴重書庫」があります。そこには、「福岡大学ヨーロッパ法コレクション」と呼ばれる、膨大な法律文献集成があります。この書庫に入ってみましょう。きっと、ローマ法以来のヨーロッパ法が醸し出す伝統の重みに圧倒され、学問の迫力に身震いするでしょう。 「福岡大学ヨーロッパ法コレクション」は、15世紀以来19世紀にいたるヨーロッパの法律文献を集成した文庫です。その大半は『ローマ法大全』原典とその注釈書から成っています。その中には、わが国はもちろんのこと、世界でも、この福岡大学にしかない貴重な本もあります。 これらの書物をひもとけば、現代社会がかかえる、さまざまな法律問題について、その解決のためのヒントが見つかります。わが国のみならず世界各国から、いろいろな研究者の方々が、福岡大学を訪問し、このコレクションを利用してきました。ローマ法研究の世界的権威・故ヘルムート・コーイング先生の感想を紹介します。「このコレクションは、ヨーロッパ人にとっても有益である。ここでは、さながらヨーロッパにいるかのように研究できる。これは、ローマ法という学問がいかに世界中で通用する学問であるかを物語っている」。福岡大学に入学して、本物の学問に触れてみませんか。なお「福岡大学ヨーロッパ法コレクション」は現在、その総目録がDVDに収められています(2004年度、私立大学図書館協会賞を受賞)し、福岡大学図書館のウェブサイトでもご覧になれます。お試しあれ。福岡大学図書館ウェブサイト来てよかったと日記に書いた。「福岡大学ヨーロッパ法コレクション」04本物にふれた。
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