3・4年次生 ゼミで専門性を高めよう金山ゼミ紹介金山ゼミ 金山ゼミでは、100年以上前にドイツ語で書かれた書籍『アルト・ハイデルベルク物語』を原文で読破します。読破というと難しく聞こえるかもしれませんが、実際には、金山教授が抜粋して挿絵や紹介文を付けてくださったオリジナル教材で学ぶため、安心して楽しく取り組めています。 金山教授はAI技術にも精通しており、自作動画などを授業にも活用されています。ドイツに近代的手工業製品としてのルーツを持つ球体関節人形の「ちよ様」たちがTA(ティーチングアシスタント)としてドイツ語について丁寧に説明してくれる動画や、教授自身がAIアバターとして登場して仮想空間から次の課題の指示を出す動画も授業中に見ることができました。 3年次からは卒業論文の執筆にも取り掛かり、私は今、教授の指導のもとで自分の研究を段階的に進めているところです。近藤 奈々 さん (2022年入学)片岡ゼミ堺ゼミ永田ゼミドイツ料理を日本で再現! 片岡ゼミではそれぞれが興味のあるテーマを選んで研究し、発表しています。研究テーマはグリム童話、ドイツの教育事情や動物保護など多岐にわたっており、互いに疑問点を出し合いながら知識を深めることができます。私の研究テーマは「ドイツの料理は日本で再現できるか?」というもので、ドイツで購入した料理本にある料理を実際に作り、自宅のキッチンでどれだけ本場の味を再現できるかを試しています。料理という観点からドイツと日本の文化や価値観の違いに迫ることが最終的な目標です。ドイツと日本は遠く離れていて文化や歴史も全く違うからこそオリジナリティのあふれる研究ができ、とても楽しいです!先生方の手厚いサポートもあり、充実した研究ができる環境です。吉村 香澄 さん (2022年入学)カスティヨゼミ紹介池尻 圭佑 さん (2022年入学)カスティヨゼミ紹介 カスティヨゼミでは、ドイツ映画について歴史的、また文化的観点から幅広く議論します。例えば、映画『ザ・ウェイヴ』(Die Welle)は集団心理や1人の指導者による独裁の危険性などが描かれている作品でした。独裁体制にある集団は一見すると一体感があり、団結力が強く感じられますが、率いる指導者の考え方や言動によっては、その一団は良い方向にも悪い方向にも傾いてしまうことに問題があります。また、『NAPOLA』はナチスのエリート士官養成学校ナポラの若者たちが、学校での教育に対する疑問や良心の抑圧、偏った思想に悩む作品でした。これらのようなドイツ映画を資料として、カスティヨゼミではドイツの歴史やネイティブのドイツ語を学んでいます。 ドイツ映画に興味がある、ネイティブによるドイツ語会話に興味があるという人にはおすすめのゼミです。牛川 真生 さん (2022年入学)有馬ゼミ紹介有馬ゼミ 有馬ゼミでは、各自が興味を持つドイツ関連のテーマについて調査や考察したことを、授業中に口頭発表します。発表後には他の参加者から意見や助言をもらえるので、毎回、自分一人では気が付かなかったような観点からの「気付き」が得られます。また、発表はレポート執筆を通しても行われます。頑張って書いたレポートを先生や他のゼミ生に褒めてもらえると、とても嬉しいです。そのような気持ちが、さらに良い研究をしようというやる気につながっていくのです。4年間の集大成 卒業論文と卒業研究上野 恭輔 さん (2021年入学)『精神分析入門講義』研究江頭 碧斗 さん (2021年入学)ドイツの農業デモについて 私は2024年初頭のドイツやヨーロッパ各国における大規模な農業デモがどのようにして起きたのかを卒業論文のテーマにしました。このテーマに決めた理由は、インターネットで偶然見つけたドイツの農家のデモの映像がかなり印象的で、彼らがなぜこのように過激な抗議をしているのか気になったからです。論文のテーマは案外私たちの近くに見つけることができるかもしれません。 論文ではデモの具体的な内容や政府や農家側の意見をドイツのニュースサイトを使って詳しく調べました。デモの背景にはドイツ政府による農家への燃料補助の撤廃やウクライナに対する農作物の関税停止のような政策や規制があり、その多くは環境問題とも関連していることから、こうしたさまざまなファクターを顧慮せねばならないこれからの農業のあり方やこれを支える基礎研究についての考察も行いました。 授業では卒業論文の進捗状況の発表や他のゼミ生とのディスカッションがあり、私の発表時には、デモの是非やアメリカ大統領選挙の結果による影響など私自身が思いつかなかった質問も受け、こうした事柄をも論文に反映させたことで内容の幅がさらに広がりました。また、他のゼミ生の発表を通じてドイツに関するさまざまな知識を吸収することができるのも楽しかったです。 私の卒業論文は、ジークムント・フロイトの『精神分析入門講義』における「失錯行為」、「夢」、「神経症」という3つの基本概念を整理し、それらの現代的意義を考察したものです。19世紀末から20世紀への世紀転換期に「無意識」の概念を確立したオーストリアの精神科医の研究成果を現代に読み解くには、資料を読み解いて、それを深く理解する必要があります。執筆はとても大変な作業でしたが、論文を完成させた時には大きな達成感を得ることができました。また、完成後に先生方からアドバイスをいただき、この分野の研究の重要性も感じました。卒業後も研究し続けたいと思っています。37
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