20日本語日本文学科近代文学畑中 佳恵 准教授 日本近現代文学を研究しています。とくに、「長崎」イメージの形成と文学作品の関わりについて調べたり考えたりしてきました。大学での数年間は、自他の常識となっている価値観やイメージをいろいろな角度から吟味することやその重要性を学べる、かけがえのない期間です。自分と異なる時代、属性、人間関係を生きる人々の視点が織り込まれた文学作品は、その学びを手助けしてくれます。さまざまな作品との出会いを楽しみながら、一緒に読み解いていきましょう。[ 畑中ゼミの卒業論文 ]・ 小川洋子「博士の愛した数式」論 ―登場人物間の愛情表現の描写を中心に―・ 夢野久作『少女地獄』論―作中に登場する少女の嘘―・ 江戸川乱歩『孤島の鬼』論 ―タイトルに込められた意味について―・ 内田百閒作品における声・音の考察―「冥途」を中心に―・ 夏目漱石「文鳥」論日本文学近代文学中野 和典 教授 昭和期以降に書かれた日本文学を研究しています。この研究領域は、いわゆる「時の洗礼」を受けてないという意味では最も洗練されていないものと言えますが、それゆえに「現在的な問題」により直接的に接近できる可能性も持っています。ただし、それは目の前にあることだけに目を向ければ見えてくるというものではありません。時代や場所を越えてより多くのものごとに目を向けることによって初めて見えてくる問題を、学生の皆さんと一緒に追究していきたいと考えています。[ 中野ゼミの卒業論文 ]・ 芥川龍之介「蜜柑」論・ 壺井栄『二十四の瞳』論・ 小川洋子「博士の愛した数式」論・ 太宰治「人間失格」論・ 大岡昇平『野火』論・ 宮本輝「星々の悲しみ」論日本文学近代文学林 信蔵 教授 比較文学を担当しています。比較文学とは、文学作品をそれ自体としてだけではなく、それと隣接するさまざまな要素との関係から考えてみる学問と言いかえることができます。私は、日本近代文学におけるフランス文学・文化の影響、音楽や絵画に造詣が深い作家の文学作品の特徴について考えてきました。また、日本文学がどのように海外に紹介されているのかなどについても関心があります。[ 林ゼミの卒業論文 ]・ 三島由紀夫『女神』における「アメリカ」と「ヨーロッパ」・ 村岡花子訳『赤毛のアン』論 ―隠された愛の言葉をめぐって―・ 林芙美子のパリ表象・ 谷崎潤一郎『少年』論 ―なぜ光子は「少年」と呼ばれるのか―・ 梶井基次郎『檸檬』における色彩表現比較文学近代文学永井 太郎 教授 専門は明治末から大正期にかけての近代文学です。内田百閒という作家の研究ですが、同時代の小説や思想にも関心を持っています。授業では夏目漱石や内田百閒をはじめ、多くの作家を扱うようにしています。個々の作品について論じるだけでなく、小説に関する、より一般的な問題についても考えていきます。[ 永井ゼミの卒業論文 ]・ 太宰治『葉桜と魔笛』論・ 宮部みゆき『火車』論・ 中島敦『古譚』論・ 安部公房『バベルの塔の狸』論・ 江戸川乱歩『孤島の鬼』論日本文学 古書や文学遺跡に直接触れることで得られる感動を共有し、学修の意欲を高めます。主な目的地は京都を中心とした関西圏で、現地の図書館・博物館などで貴重な典籍を目にしたり、宿舎に戻って百人一首大会をしたりして、学生同士および学生と教員が交流を深めます。訪書旅行での体験が、3年次以降のゼミで学んでいく大きなモチベーションになったという声も、多数聞かれます。訪書旅行和本の閲覧百人一首大会
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