福岡大学薬学部の林稔展准教授は、がん化学療法に伴う副作用の管理、特に悪心・嘔吐の予防と治療に関する先駆的な研究を行っています。その成果は、制吐療法ガイドラインにも反映され、多くのがん患者のQOL(生活の質)の向上に寄与しています。
このたび、2つの学術誌「Frontiers in Pharmacology」「Frontiers in Oncology」に掲載された論文において、林准教授が、がん化学療法に伴う悪心・嘔吐(CINV: Chemotherapy-Induced Nausea and Vomiting)研究分野の論文著者として世界トップ10に選出されました。
この評価は、Web of Scienceの論文データベースに基づき、CINV研究分野における制吐療法の動向やCINVの機序と治療戦略に関して論文数や論文の被引用数を総合的に分析した結果です。林准教授は、世界中の研究者の中から特に重要な貢献を果たした研究者として高く評価されました。
林准教授は、「このたびの選出を大変光栄に存じます。本研究分野における世界的な評価をいただき、改めて責任の重さを感じております。この成果は、共同研究者の皆さま、臨床現場の医療従事者の方々、そして研究にご協力いただいた患者さんのお力添えによるものです。今後もがん治療における副作用管理のさらなる向上を目指し、研究に邁進します」と話します。
林稔展准教授の研究は、がん化学療法における制吐療法の最適化を目指しており、今後も新たな知見の創出に向けて取り組みを続けていきます。ぜひ本研究にご注目ください。
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関連リンク(論文について)
論文「Research trends on chemotherapy induced nausea and vomiting: a bibliometric analysis1)」(学術誌「Frontiers in Pharmacology」)
論文「Bibliometric and visual analysis of chemotherapy-induced nausea and vomiting (2004-2023) 2)」(学術誌「Frontiers in Oncology」)
