FUKUDAism(フクダイズム)

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2024327
研究
産学官連携

小型ハイブリッドロケット合同打ち上げ実験を行いました

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3月11日(月)から13日(水)にかけて、福岡県北九州市小倉南区平尾台にて、福岡大学産学官共同研究機関「宇宙開発研究所」が主催し、福岡大学・九州大学・東京大学の3大学(団体)が共同で小型ハイブリッドロケットの打ち上げ実験を行いました。

本実験は、打ち上げに係る一連の過程を通し、参加団体の安全意識の向上や安全な打ち上げの実施能力を養う安全教育や座学では得られない実践的な技能・経験を得る技術力向上を目的としています。福岡大学・九州大学の学生から成る実行委員会が参加大学の取りまとめやステークホルダとの交渉を行い実現しました。
当日は、福岡大学「FUROCK」17人、九州大学「PLANET-Q」31人、東京大学「UTAT」9人が参加しました。報道機関からも多数取材を受けました。

主催した宇宙開発研究所の川端洋所長(本学工学部機械工学科助教)と実験に携わった本学プロジェクトメンバーの太田木蘭(きらん)さん(工学部機械工学科2年次生)に実験内容等の話を聞きました。


<実験内容>
【太田さんコメント】
3月11日(月)は、11時から打ち上げシーケンスを開始しました。ロケットの機体、打ち上げ地上支援装置(GSE)の組み立てを行い、15時43分に点火されました。ロケットは点火後約10秒で飛行頂点に到達し、約22秒後に飛行終了しました。ロケットは事前に予定していた軌道から、風による外乱により外れて飛翔しましたが、着地後の機体は回収され、現在解析を進めるべく準備を進めています。
パラシュートの開傘失敗やデータ即時回収失敗など、実験の達成率として100%とすることが叶いませんでしたが、今後、原因究明と共に、改善策を確立していく予定です。


福岡大学「FUROCK」打ち上げ動画

<打ち上げ結果等>
3月11日(月)
福岡大学宇宙探査サークル「FUROCK」が打上実施、打上には成功、パラシュート開傘せず
3月12日(火)
九州大学「PLANET-Q」が打上実施、打上には成功、パラシュートと機体が分離して落下
3月13日(水)
東京大学「UTAT」が打上実験、打上に成功、パラシュートも開傘
3月14日(木)
ロケット製作、打上実験に関してヒヤリハットや安全に関する改善点を参加者全員で共有する安全シンポジウムを実施、また製作したロケット等を展示して技術交流会も実施

<実験を終えて>
【川端所長コメント】
平尾台自然観察センターや自然の郷の職員の皆さま、地域住民の方々に多大なご協力とご理解をいただきました。ありがとうございました。九州地方では初となる実践的宇宙工学教育の機会を創出でき、大学の垣根を越えた交流の機会を得ることができて良かったと思います。

【太田さんコメント】
今回の打上実験は、団体としては4機目の機体であり、機体の本体を製作するにあたって
GFRP(繊維強化プラスチック)を導入するなど、新しい試みを詰め込みました。機体を作成していく過程で、意見が折り合わず、たくさんの議論を交わしながら、より良い機体を作り上げていこうというチームの団結した想いでプロジェクトを進めてきました。

現在判明している実験結果としては、動画の解析により得られた、エンジンの燃焼時間約3秒、飛行頂点到達までの時間が10秒、飛行終了までの時間が22秒となります。当初予定していた、気圧や加速度など機体内部で記録していたデータの回収を行うことができなかったため、今後の大きな課題となりました。

今後は、実験の計画から申請・準備の部分まで、学生の果たす役割が大きくなっていくので、今まで以上にメンバーの団結・連携を大切にしていきたいと思います。ものづくりの楽しさや難しさを分かち合いながら、授業だけでは得られない学びを得ることができる場所として、他大学の同じものづくりを志す学生同士の交流を深め、切磋琢磨出来る場所として、このサークルをさらに成長させていきたいと考えています。

福岡大学「FUROCK」の小型ロケット

九州大学「PLANET-Q」の小型ロケット

東京大学「UTAT」の小型ロケット

3大学での集合写真