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2022121
教育
研究

理学部化学科の松岡雅忠准教授が、日本化学会「化学教育有功賞」を受賞

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福岡大学理学部化学科の松岡雅忠准教授のグループは、理科(化学)の実験教材開発の研究を行っています。今般、長年取り組んできた「化学実験教材の開発と理科系探究活動活性化への貢献」に関する業績が認められ、2021年度「化学教育有功賞」を受賞しました。

松岡准教授は、『理学部で学びを深めて「なぜこのような変化が起きるのか」ということを自分の言葉でいきいきと語れるような学生へと成長してほしい。理科系に興味を持ってもらえるよう研究を続けていきたい』と話します。研究内容や今後の目標などについて話を聞きました。


−研究内容や授業について教えてください

私は、学生の理解が進むような理科(化学)の実験教材を開発したり、科学を好きになってもらえるような授業づくりの研究をしています。昔の化学者がどのような気持ちで探究したか、発見の驚きや喜びを追体験できるような実験の開発も行っています。また、高校の化学の授業では、カリキュラムや時間の関係で実験を行う機会が少なくなっているため、準備や片づけが簡単で、学生のためになる実験の開発と普及も大切にしています。
現在、化学科の基礎教育のほか、教職関連科目を担当しています。ちょっとした実験やデモンストレーションを取り入れながら、専門への入り口となる考え方を把握できるように工夫しています。「これまで疑問に思っていたことが解決してうれしい」などという感想を聞くと、私も工夫しながら行ってきたことが実を結んでいるとうれしく感じます。

授業の様子

実験中の様子

−研究を始めたきっかけは?
私は、中学・高校で理科教員として20年ほど勤めていました。実験を取り入れた授業が好きで、放課後には授業で使えそうな実験をいろいろ試していました。勤務の傍ら、社会人学生として大学院に通い、化学教育の研究手法を学びました。教員を志望する学生をサポートしたいという思いがあり、2020年より本学理学部で教育・研究に携わっています。現職教員時代の思い出は私の財産であり、その経験が今、大学教員として役に立っています。

今後の研究の目標について
研究室では、教職志望の学生さんや、科学コミュニケーションに関心のある学生さんと研究を行っています。卒業研究以外にも、いろいろな実験を体験できるため、新鮮に感じてくれているようです。
自分で開発した実験がうまくいくことは確かに重要なことですが、「なぜその反応条件が適しているのか」「実際には何が起きているのか」「実験を通じて生徒に何を伝えたいのか」など、広い視点から考えることも大切なポイントです。本学の恵まれた環境を生かして、理学部らしい教材開発の研究、実験の得意な教員の養成を進めることが今後の目標です。また、中高教員の経験をもとに、近隣学校への模擬講義、科学系部活動のサポートなど、理科系に興味・関心を示す学生を増やすための活動にもますます力を入れていきたいと思います。今年の目標は、現職の理科の先生方への実験講習会を行うことです。


研究室メンバー

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