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2021416
研究

「ウルトラファインバブル」で目指すアルツハイマー病治療

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福岡大学医学部の貴田浩志講師(専門:超音波医科学)は、「ウルトラファインバブルを用いたアルツハイマー病に対する病原たんぱく質分解酵素の遺伝子治療の開発」を行っており、その研究に対する研究クラウドファンディングプロジェクト*を行っています【~5月20日(木)17時】。この研究クラウドファンディングは福岡大学初の試みです。

*研究クラウドファンディングとは
クラウドファンディング運営会社が開設するインターネットサイトを通じて研究テーマを発信し、研究遂行に必要な資金を募ること。集まった支援金は該当研究に対する寄付金となる。

  • 研究クラウドファンディングプロジェクト内容
    研究名:ウルトラファインバブルでアルツハイマー病に克つ︕
    実施期間:2021年3月31日(水)10時~5月20日(木)17時
    目標金額:1,250,000円
  • 研究の詳細・研究クラウドファンディングについてはこちら
     

貴田講師に研究について伺いました。

研究テーマ・内容等についてお教えください。

ナノメートルサイズの不思議な泡「ウルトラファインバブル」を使った認知症や神経難病の遺伝子治療の研究を行っています。通常の2〜3mmの泡を東京ドームくらいの大きさとすると、100〜200nmのウルトラファインバブルはビー玉くらいの大きさしかありません。あまりにも小さ過ぎて浮力が働かず、最長で数週間、水中にとどまり続けるという不思議な性質を持っています。このウルトラファインバブルが超音波照射で破裂する「キャビテーション」という現象を利用して、脳や脊髄の患部に治療効果のある遺伝子を送り届ける方法を研究しています。

●研究を始めたきっかけは何ですか?

以前、私は大学病院で臨床の神経内科医として診療にあたっていました。神経内科で扱う認知症や神経難病は、現代の医療では根治できない疾患です。そういった患者さんの診療にあたりながら、「どうにか自分の手で新しい治療法を見いだして、それを患者さんに届けることができないか」と思うようになり、遺伝子治療や薬物送達システムの研究に取り組むようになりました。そこで「ウルトラファインバブル」という不思議なマテリアルに出合い、これを認知症の遺伝子治療に応用しようと考え、今の研究に至っています。

●この研究は、私たちの暮らしにどう影響しますか?

認知症は世界的な患者数の増加と、社会的なコストの増大が大きな問題となっています。その発症を予防し、症状を軽減することができれば、大きな社会貢献につながると考えています。皆が健康に長生きできる社会の実現に向けて寄与できることを目指しています。

●先生が専門にされている研究の魅力、面白さをお教えください。

神経系は生体の中でも最も緻密で神秘的な組織です。その障がいは従来の治療薬では治すことのできない認知症や難病を生じます。それを克服するための遺伝子治療薬や、神経系に薬を届けるための送達システムなどの新しいアプローチを考え、実験で確かめていくところが魅力です。