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202331
研究
地域連携

「室見川シロウオ産卵場造成プロジェクト」を実施しました(2/18)

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2月18日(土)、福岡大学工学部社会デザイン工学科水工学研究室は、福岡市西部を流れる室見川で、地域市民と共に「室見川シロウオ産卵場造成プロジェクト」を実施しました。

本学の伊豫岡宏樹助教(水工学研究室)は、2011年から本プロジェクトを実施しており、今年で13年目になります(協力:福岡市水産振興課、室見川しろうお組合、室見川再生を語る会)

伊豫岡助教らの調査によると、室見川の河口域は河川改修によって砂がたまりやすい構造になっており、シロウオの産卵場となる川底の石が砂に埋没してしまっていることが明らかとなりました。抜本的な解決には、川の構造を見直すことが必要ですが、取り急ぎの対処法として、「人為的河床かく乱」を行い、少しでもシロウオやシロウオの産卵場のような環境を好む生物の生息環境を改善しようと始めたのが本プロジェクトです。

本プロジェクトは、河川の改修整備や水質環境、生態系の変化などの環境問題への対応を地域の方々と共に行うことで、地域の力で環境を維持・改善できることを示すための試みでもあります。

今年度は、13時30分から15時までの干潮時に、本学教職員・学生、地域の方々などで実施しました。調査により明らかになったシロウオの産卵が見込める場所において、砂に埋没している礫を底質表面に掘り起こし、産卵場としての機能を回復させました。また、川の中に廃棄されていたゴミの撤去なども併せて行いました。

昨年4月の調査では、実際に本プロジェクトで造成された礫環境にはシロウオが産卵することも確認されています。

また、この活動を通して、室見川の再生はもとより、持続的な環境保全システムの構築と自然の大切さや環境再生の重要性を考える機会となることも期待しています。

砂に埋没している礫を底質表面に掘り起こす様子

海と川を行き来する回遊魚シロウオ