福岡大学では、さまざまな地域連携活動を行っており、今回は、福岡市にある片江公民館(城南区)および別府公民館(城南区)で行っている「理科教室」について紹介します。
本取り組みは、片江公民館では10年以上続く人気の講座で、理学部物理科学科の永田潔文教授が担当しています。
7月18日(土)に行われた理科教室(片江公民館)へ取材に赴き、永田教授に話を聞きました。また、片江公民館長・石川節子様にもコメントを頂きました。
<当日の様子>
「理科教室」当日、片江公民館には続々と親子の姿が現れました。小学1年生から6年生までの30人と、保護者30人の合計60人が多目的室に距離を取りながら着席。この日は50組以上の申し込みがあったそうですが、ソーシャルディスタンスを確保するために泣く泣くお断りもされたそうです。
この日は、「スーパーカレイドスコープ」(発光ダイオードと2次元回折格子を使った電気仕掛けの万華鏡)および「万華鏡」を製作しました。
永田教授の「私は大学の理科の先生ですから」という言葉から、まずは発光ダイオードや虹、LED、赤外線など「光について」分かりやすくスライドで解説がありました。その後、さっそく作業開始。2時間で2つの作品を完成させました。完成後、蛍光灯の光を透かして見ながら、参加者からは「キラキラしてきれい!」「すごい!」「できた!」という声が飛び交っていました。
●〇永田教授へのインタビュー〇●
ー子どもたちが講座に参加する意義を教えてください。
体験を通して、科学や技術を学び、最終的には、自然の中で生き、楽しんでもらえたらと思います。子供の頃の体験や感じたこと、印象は結構覚えているもので、それが何かのきっかけとなり、大人になった時につながっていけばと思います。
ーこの講座は10年以上続いていると聞きました。子どもたちまたは親御さんの変化などはありますか?
親御さんはあまり変わってないのではないでしょうか。年々若くなっていくこと以外は。こちらがその分、年を取っています。子どもは理科離れというより、手先があまり器用でなくなっているように思えます。糸を結んだりするのが苦手のようで、そのような作業があるとき、意外と時間がかかっています。家でお手伝い(掃除やごみ出し、洗い物、洗濯ものを干したり・畳んだり、服の修理など)をする機会があまりないのかもしれません。
ー今後の展望があれば、教えてください。
子どもがゆったりと学んだり遊べる場や機会があるといいと思います。そのためには、退職した教員が地域活動できる仕組みができるといいと思います。
●〇石川館長からのコメント〇●
片江公民館では、大学とさまざまな連携事業を行っていますが、数多くある講座の中で、「理科教室」が一番長く実施されているものです。この講座を受講される親御さんの意識がとても高く感じます。知識もそうですが、地域での居場所をつくる、という意味でも、大きな役割を担っていると思います。数年前、中学校の卒業式で公民館の活動によく参加してくれていた子の答辞を聞いていた時、「公民館の活動を通して、地域の方々と関わりを持つことができ、とてもよかった」と感謝の言葉を述べてくれ、とても感動しました。
「理科教室」以外にも「歴史講座」など、福岡大学と連携している講座があります。いろいろとご協力いただき、ありがとうございます。