福岡大学薬学部の江川孝教授は、災害医療・災害薬事を専門分野としており、2011年に発生した東日本大震災での救護活動をきっかけに、災害医療に携わっています。
2020年、江川教授は厚生労働省の要請を受け、DMAT(災害医療派遣チーム)の一員として、新型コロナウィルス感染症が集団発生した大型客船(ダイヤモンドプリンセス号)に乗り込みました。船内では、不足する慢性疾患の乗客の医薬品調剤や船内DMAT指揮所の本部運営などに携わりました。また、持病や新型コロナウィルス感染症の症状が悪化して船外に搬送された患者さんの家族対応も行いました。
6月13日(金)に公開された映画「フロントライン」において江川教授は、ストーリーの中で使用されている医薬品や使用方法、処方内容に関する台詞について医療指導を行いました。今から5年前に世界規模で人類が経験した新型コロナウィルス感染症を事実に基づく物語としてオリジナル脚本で映画化した日本で初めての作品です。映画では時間の制約により、当時ダイヤモンドプリンセス号に関わった医療従事者の実話を基に、複数のエピソードをまとめて俳優たちが演じています。
江川教授は「自分がダイヤモンド・プリンセス号の集団感染に対して、何を感じ、何を恐れ、何を護ったのか、あの時を思い出しながら、多くの方にご観賞いただければと思います」と話します。

船内で患者対応をする江川教授(右)

船内の薬局
【関連リンク】
薬学部ウェブサイト
映画「フロントライン」公式サイト