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2020622
教育
医療

福岡大学病院デイケア棟前に畑が完成

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福岡大学病院デイケア棟前に畑(デイケア畑)が完成しました。

デイケア棟前にはこれまでも畑があり、そこでは福岡大学病院精神神経科の患者さんが農作物を育てる等の作業療法が行われてきました。しかし、利用者の若年化により畑を利用する人が減少していました。実際、畑自体では農作物を作っていましたが、その周りは時期によって荒れ放題でした。「この場所を若い人が使いたいと思える空間にできないだろうか」。そう悩んだデイケア医長の永野健太助教は、数々の公的施設をデザインしてきた本学工学部社会デザイン工学科の柴田久教授(景観まちづくり)に相談します。

相談を受けた柴田先生は、景観まちづくり研究室所属の大学院生・学部生を主にしてデイケア畑の再整備プロジェクトを始めました。一昨年5月から動き出し、デイケアメンバーと隣接住人へのヒアリング、要望調査、現地調査、模型制作、医師や看護師等へのプレゼンテーションを経て今年6月に完成。以前とはまるで違う憩いの場と畑が融合する空間が出来上がりました。

「これまでの空間は、畑作業のためだけに使っていました。これからは、患者さんのみならず、地域の方も楽しめる癒しの場・交流の場・良い道草の場として機能していくことを期待しています。この畑でどう楽しもうか患者さんたちと話し合っているところです」と永野先生は話します。

柴田先生は、「畑の配置や敷地内の高低差を傾斜や通路でどのように繋げ、連続的かつ魅力的な緑の空間にリニューアルしていくか、そのデザイン検討が最も苦労しました」と振り返ります。

学生のプレゼンテーション

プレゼンテーション会場には多くの病院関係者が参加

模型を現場に持ち込み調査

医師たちも興味津々

「検討模型を医学部に持ち込み、学生自らがプレゼンテーションを行うことで、普段は会う機会がない異分野の人たちと直接コミュニケーションを取ってきた学生たち。その経験を通じて、新たな見方や考え方に気付き、講義で学んできた空間デザインの知識や自身の提案力に自信を得たように見えた」と学生たちの成長も感じていた柴田先生。

緑の芝、濃い黄土色の畝、そして何より既存大樹の上に広がる青い空。生まれ変わったデイケア畑とその空間は、利用者の心を都度、癒してくれるでしょう。

整備前の広場

整備後の広場