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2021101
国際交流

海外留学は「失敗することが0%の挑戦」~商学部 井上修 准教授~

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福岡大学では、教育職員を外国の大学や研究所等に派遣し、学術の研究や教授能力の向上を図ることを目的に在外研究員の制度を設けています。

今回は、本学の協定校であるグリフィス大学(オーストラリア)に2019年9月~2020年6月末(研究期間は8月まで)の間、在外研究員として現地で研究を行った商学部准教授・井上修先生に海外で学ぶ意義や魅力等について話を聞きました。


−研究内容を教えてください

私の研究領域は「国際財務報告基準 (International Fiancial Reporting Standards,通称 : IFRS)」と日本の会計基準との比較です。日本でも現在はIFRSが適用されていますが、オーストラリアは日本よりも早く、かつ、全面適用であるため、実証研究が日本よりも蓄積されています。先行研究では、経済的および法的な制度や慣習等の相違が会計行動の質に影響を与えるといわれていますので、在外研究中に日本とオーストラリアを比較して、IFRSの適用によってどのような質的な相違が生じているのか、要因を明らかにしたいと考えていました。

海外の地だからこそ気付けたこととは?

私がIFRSを研究対象としたのは、実際に海外に行った際、町並みを肌で感じたことがきっかけでした。日本とは異なり、海外の建物は非常に古いものが多く、何百年も前のものが現在も使用されています。そこでふと疑問に思ったのは、「耐用年数はどうなるのだろう?減価償却はいったいどうやって行うのだろう?」という点です。耐用年数が非常に長い場合、単年における減価償却費は非常に小さい金額となってしまいます。そこで、IFRSではイギリス発祥の「固定資産の時価評価」が認められていますが、これは日本では絶対に受け入れられないルールです。文化的な相違が会計基準の相違に関係しているという点がとても面白いと感じました。

グリフィス大学の魅力

私が在外研究でお世話になったグリフィス大学は本学の協定校です。グリフィス大学は2032年夏季オリンピックの開催都市「ブリスベン」にあります。オーストラリア自体、とても魅力的で安全な国ですが、その中でもブリスベンは気候の良さは群を抜いており、大自然と利便性を兼ね備えた住みやすい環境が完璧にそろっていて、非常におすすめの都市です。近くに美しいビーチで有名なゴールドコーストもあります。
グリフィス大学は、ブリスベンにもゴールドコーストにもキャンパスがあり、学生数は4万人以上(うち留学生が約1万人)在籍している非常に大きな大学です。毎日、さまざまな国の人と交流ができ、たくさんの刺激を受けることができます。

グリフィス大学

ゴールドコースト

−海外留学や国際交流の必要性について

世界の中の「日本」、世界の中の「福岡」という意識を持つことがとても大事だと思います。「日本に就職するから、地元に就職するから=英語はできなくても大丈夫」という時代ではなくなりつつあり、世界中の人と手を取り合い、知恵を出し合って共存していくことが求められます。そのためには、海外留学や国際交流をすることが必要といえます。
海外留学は「失敗する可能性が0%の挑戦」だと思っています。思い切って行きさえすれば良い!仮に、全く英語が話せなくても海外留学は大成功です。興味がなかった私も「一生に一度のチャンス」「今の自分を変えたい」その想いだけで、海外留学を経験しました。
しかしながら今は、新型コロナウイルス感染症に伴い、「海外留学」は厳しい状況にあります。いつかの「海外留学」につなげるために「国際交流」をしてみてはいかがでしょうか。私が思う「国際交流」は、単に海外の人と話すことだけではなく、「異国のことを積極的に理解すること」だと思います。相手のことを理解するために、海外のニュースを見るなどして、海外の事情に目を向けてみてください。環境問題や新型コロナウイルス感染症の対策など、世界共通の課題を抱えていることからも関心を持つことが国際交流を始めることの第一歩になると思います。

ブリスベン市内