福岡大学の協定校の一つに揚州大学(中国)があります。江蘇省・揚州市にある総合大学で、学生数は33,000人を超えています。留学生のための教育システムが充実し、留学生専用の宿舎も整っています。本学では例年、2月下旬から2週間の海外語学研修と交換留学で学生を揚州大学に派遣しています。
今回、本学大学院理学研究科博士課程前期(化学専攻)2年次生の河野未来さんを紹介します。河野さんは、2016年度(2017年2~3月)本学理学部2年次生の時に海外語学研修に参加し、揚州に魅せられました。本学大学院へ進学後、再度揚州大学に私費留学(2019年4月~2020年2月)をしています。
−研修・私費留学に揚州大学を選んだ理由やきっかけ
必修科目である第二外国語で中国語を選択したことがきっかけです。中国語の勉強をずっと続けていきたいと思い、2年次生でも履修しました。勉強していく中で、いつか中国へ行ってみたいと思うようになりましたが、「中国は怖い・危ない」といった印象が強く、一歩踏み出すまでに勇気が必要でした。大学のプログラムならば安心して参加できると思い、2017年、2年次生の時に海外語学研修への参加を決めました。2週間のプログラムを経験し、揚州が大好きになり、今度は長期で生活をしたいという気持ちが芽生えました。大学院に進学後、1年間の私費留学を決め、揚州大学に戻りました。

揚州市内
−研修先での学び・楽しかったことは何ですか
海外語学研修では、午前中は中国文化体験、午後は中国語の授業がありました。授業は初級レベルで、先生も日本語を少し話せるので、中国語を始めたばかりでも参加しやすい研修だと思います。太極拳や書道、中国料理の体験ができ、揚州のほとんどの観光地を訪れることができて、中国や揚州市の魅力を存分に感じることができました。
長期留学の時は全て中国語での授業だったので、研修時との違いを感じました。初めは全く聞き取れず、教科書を開くだけでも友人に助けてもらうほど聞き取りに苦労していました。しかし、中国語だけの環境に身を置くことでだんだんと理解できるようになり、いつしか日常生活は不自由なくコミュニケーションが取れるまでに成長できました。周りの人は、私の未熟な中国語を最後まで聞いて理解してくれようとするので、話が通じた時はうれしくて、とても自信になりました。
−海外留学・研修の魅力
中国だけでなく、さまざまな国の友人ができるところが魅力の一つです。長期留学中に住んでいた寮は6人部屋で、韓国、イギリス、ロシア人のルームメイトが居ました。クラスメイトも多国籍で、特にアジア、アフリカ出身の留学生が多かったです。各クラスメイトの国の伝統服を着たり、料理や言葉を教えてもらったり、イスラム教の礼拝も見せてくれました。留学中に出会った友人のおかげで、各国の文化や宗教について考えるようになり、中国文化だけでなく、世界中の文化や考え方に直接触れることができたことも留学の魅力だと感じています。

クラスメイトと(後列左から4番目が河野さん)

タジキスタン料理
−国際交流を通して感じた自分の変化は何ですか
自分で行動を起こすようになったことだと思います。留学先では、自分で行動を起こさなければ何も始まりません。自分から声をかけたり、サークルやイベントに参加したりと、小さなことから大きなことまで自分の意思で行動したことは、自信へとつながっていきます。興味のあることは何事にも挑戦しようと思うようになったのは、揚州での経験があるからだと思います。
−河野さんにとっての国際交流とは
『自分の「好き」が見つかり、毎日が楽しく充実すること』です。
国際交流の形は人によってさまざまです。私の場合は、海外語学研修と長期留学でした。中国語の勉強を始めた時の目標は、「中国人に間違えられるようになる」でした。そのため、日々の勉強はとても楽しく、充実していました。長期留学を終え、次の目標は「揚州市のある江蘇省で仕事をすること」です。海外語学研修に参加したことで、中国に対する「好き」の気持ちが深まり、熱中できるものに出合えました。さまざまな国の人との出会いは、自分の「好き」を見つけられる良い機会だと思います。
