福岡大学理学部物理科学科では、一般社団法人九州半導体・デジタルイノベーション協議会(SIIQ)の神田誠氏を講師にお招きし、「“半導体”の今を知る」特別講義を開催しました。講義では主に、①デジタル社会の基盤技術、半導体の実用例、②九州の半導体産業、③半導体の将来性、④大学で学んでおくべきこと(人材像)などについてお話しいただきました。
“半導体”はスマートフォン、自動車、エアコンなどの身の回りにある、あらゆる製品に組み込まれ、日常生活に欠かすことができない存在です。最近では、AI(人工知能)技術の発展や応用が目覚ましく、半導体を使った素子技術や製品も日進月歩の急速な発展を続けていて、その重要性はますます高まっています。
昨今、“半導体”の国内生産拠点を整備・拡充するために、国を挙げた半導体関連産業への支援や国内外からの大規模な投資が進んでいます。特に九州は、国内半導体産業の一大集積地であり、「シリコンアイランド」(シリコンは主たる半導体材料の一つ)と呼ばれるほど、日本を代表する半導体関連の企業が集積しています〔“半導体”の代表であるIC(集積回路)の生産実績では、九州は全国の50%超(2023年度実績)〕。
半導体産業の急速な拡大とともに、半導体に関わる人材育成が急務となり、大学や工業高等専門学校においても半導体関連教育のプログラムの整備・充実が進められています。

講師の神田氏〔九州半導体・デジタルイノベーション協議会(SIIQ)、三菱電機(株)〕

全員が集中して受講
参加者からは、「想像以上に九州での半導体の産業が盛んであることが分かった」「もっと半導体のことを知りたいとさらに興味が湧いた」などの感想が寄せられました。
主催した物理科学科教員は「未来社会を創造し、より良い社会を築いていくための基盤として半導体を活用するためには、理系だけでなく、文系の人材も重要になっていきます。今後は、幅広い学生に半導体産業の拡がりや重要性を知る機会や理系・文系の学生が共に学ぶ場をつくっていきたいと思います」と話します。

討論・グループワークも積極的な学生たち

質疑応答も活発に行われる
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