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2022824
教育
研究

【学びの証】「ロジスティック写像の解の挙動について」-藤原 健伍さん-

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『福岡大学学園通信』第72号(令和3年12月発行)では、「学びの証」と題して、さまざまな分野で学ぶ学生たちの卒業論文・修士論文を紹介しました。

その続編として、卒業論文・修士論文から導かれた結論や成果、今後の課題などについて伺いました。ぜひご覧ください。

今回は、理学部応用数学科 藤原 健伍さんの論文 「ロジスティック写像の解の挙動について」を紹介します。


◎卒業論文のテーマ

「ロジスティック写像の解の挙動について」

◎論文の概要

ロジスティック写像とは、(初項と)2次式で表される漸化式で定まる数列のことです。具体的には、"([n+1]番目の数)=A×(n番目の数)-A×(n番目の数)×(n番目の数)"となります。Aは、0以上4以下の数です。初項は、0より大きく1より小さい数の中から選びます。従って、最初にAの値を0以上4以下の数として定めることで漸化式を定め、そして初項を0より大きく1より小さい数の中の値として定めることで数列(ロジスティック写像)が決まります。
Aが0以上1以下の時は、初項の値によってそれぞれの数値は異なりますが、最終的に0に近づくことが分かります。更に、Aが1より大きく3より小さい時は、初項の値に関わらず(A-1)/Aという値に収束します。そして、Aが3より大きく4以下の時は、数列は収束せず複雑な振る舞いをします。
私は3年次で、数値計算によってロジスティック写像の性質を調べ、4年次では数学の理論を用いて証明する研究をしました。そして、Aが0以上1+√6の場合のロジスティック写像の性質を、数学の理論を用いて証明しました。

◎このテーマに決めたきっかけは?

簡単な式から複雑なものが出てくる仕組みに興味を覚え、このテーマを選びました。

◎今後の研究課題は?

一見簡単に見える数列が、数値を代入することでより複雑な振る舞いをし、ExcelとC言語を用いることで、そこに規則性があることを学びました。値によって規則性がない部分もありましたが、その追究は今後の課題にしたいです。

◎執筆を終えての感想

初めは内容が難しく、一つ一つの問題に時間を取っていました。しかし、ゼミのメンバーや教授のご支援を得て理解を深めることができ、満足のいく卒論発表ができました。

◎今後に生かしたいこと

教育関係の職に就きますが、今回の卒論同様に、試行錯誤しながらも、いかに分かりやすく説明するかを大切にして頑張っていきたいです。

◎大学での4年間を振り返って

様々な学部学科の学生と関われることが良いところと思います。教職課程でも、他学部生の違う視点からの課題解決や考え方が参考になりました。応用数学科では難しい内容の授業もありますが、大学院生のサポートもあり安心して学ぶことができる環境です。