『福岡大学学園通信』第72号(令和3年12月発行)では、「学びの証」と題して、さまざまな分野で学ぶ学生たちの卒業論文・修士論文を紹介しました。
その続編として、卒業論文・修士論文から導かれた結論や成果、今後の課題などについて伺いました。ぜひご覧ください。
今回は、人文学部 教育・臨床心理学科の長崎 琴弓さんの卒業論文 「老人性うつとの付き合い方-身近な家族の関わり方に注目して-」を紹介します。
◎卒業論文のテーマ
老人性うつとの付き合い方-身近な家族の関わり方に注目して-
◎論文の概要
高齢者のうつ病(老人性うつ)の概要を踏まえ、身近な家族がどのような関わりができるのかと、家族への支援についてまとめました。
2年間で様々な先行研究や資料を収集した結果、家族の負担を減らすためには、公的機関や民間の機関が柔軟に連携する必要があると考察しました。相談しやすく、本格的な支援に繋がる支援体制を構築する必要があります。また、孫や親戚と分担して介護を行うことも、介護者を孤立させないために重要であると述べました。
◎このテーマに決めたきっかけは?
自身の「孫」としての経験をもとに、よりよい家族介護に向けた支援に関心を持ちました。
◎今後の課題や論文執筆を終えて
心理的支援では、支援が必要な当人だけでなく、支える周囲の人に対しても目を向ける必要があることを学びました。今後は現代の多様な家族形態を踏まえた、より具体的な支援について考察したいです。
先行研究等を読む中で、実際の支援や対応方法など、今後のキャリアに生かせる学びを得ることができたと感じています。
◎今後に生かしたいこと
身近な家族ができるサポートや、第三者機関の今後の支援体制についての視点を生かしていきたいです。
◎福大での4年間を振り返って
心理実習の授業がとても印象に残っています。現場で働く心理職の方の話や、心理学の知識を社会でどのように生かしていくかといった話から、多くの学びを得ました。