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202262
教育
研究

【学びの証】「バス路線図の実態把握および運行規模との関連分析」-遠山 輪さん-

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『福岡大学学園通信』第72号(令和3年12月発行)では、「学びの証」と題して、さまざまな分野で学ぶ学生たちの卒業論文・修士論文を紹介しました。

その続編として、卒業論文・修士論文から導かれた結論や成果、今後の課題などについて伺いました。ぜひご覧ください。

今回は、工学部社会デザイン工学科の遠山 輪さんの卒業論文 「バス路線図の実態把握および運行規模との関連分析を紹介します。


◎卒業論文のテーマ

バス路線図の実態把握および運行規模との関連分析

◎論文の概要

路線バスは身近な移動手段であり、その路線図には「分かりやすさ」が求められます。路線図は、路線網をデフォルメしたものと、地図上にそのままの記入する、2つに大別できます。この研究では、運行規模と路線図の関係を考察し、利用者の「分かりやすさ」について検証しました。

運行規模に関してはバス停数、系統数、運行範囲、路線の複雑さといった項目で、地図あり路線図109件、地図なし(デフォルメ)路線図160件の計269件を分析しました。
その結果、 ①バス停数や系統数が少なく運行範囲も狭い路線図 ②運行範囲は狭いがバス停数や系統数は多い路線図 ③全体的に情報量が多い(運行範囲が広い)路線図 ④平均並みの水準の路線図 の4グループに分類しました。
さらに、バス利用者の感性面から、地図あり路線図と地図なし路線図に対する学生30人を対象とした評価実験を実施しました。
その結果、①の路線図は、地図の有無に関わらず探索時間や見返す回数が少なく、印象面でも「すっきりした」「わかりやすい」路線図と評価されました。②では、地図あり路線図が地図なし路線図より「分かりやすい」評価でし
た。次に③では、地図あり路線図でも「分かりにくい」評価でした。

◎このテーマに決めたきっかけは?

元々、公共交通システムに関心がありました。人々の感性に基づいた利用しやすいバス路線図について研究することにしました。

◎今後の課題や論文執筆を終えて

Googleマップやバス会社のアプリで路線検索を行うことが増えているため、閲覧媒体による分かりやすさへの影響も、課題の一つとして今後検討したいです。
指導頂いた辰巳先生と吉城先生、研究室メンバーや友人など、多くの方の協力があって完成させることができました。感謝しています。

◎今後に生かしたいこと

社会デザイン工学科は土木的なイメージが強いですが、今回のように交通面から魅力的な「まちづくり」の知識も学べます。これら4年間で学んだ多岐な分野を生かし、仕事を通じて人の役に立ちたいです。

◎福大での4年間を振り返って

土木についての知識を段階的に理解できました。学年が上がるにつれ、先生方の研究や実務の話が多くなり、将来の仕事をイメージできました。土木の仕事をしたいのであれば、社会デザイン工学科を強く勧めます。