『福岡大学学園通信』第72号(令和3年12月発行)では、「学びの証」と題して、さまざまな分野で学ぶ学生たちの卒業論文・修士論文を紹介しました。
その続編として、卒業論文・修士論文から導かれた結論や成果、今後の課題などについて伺いました。ぜひご覧ください。
今回は、人文学部東アジア地域言語学科の白井祐圭さんの卒業論文 「『おもてなし』は中国で受け入れられるのか~星野リゾートを事例とした考察~」を紹介します。
◎卒業論文のテーマ
「おもてなし」は中国で受け入れられるのか~星野リゾートを事例とした考察~
◎論文の概要
ホテルという業態を対象に、日本のサービスがどう評価されているかを調べました。日本、中国、台湾を舞台に、提供されているサービスと顧客満足度、サービスに対する認識の違いを見ていきました。中でも中国に進出している星野リゾートを中心に、宿泊客の口コミを集めて分析しました。その結果、日本と中国では、歴史的に社会や人々にサービス意識の根付き方が違い、そのために現代の人々のサービス意識や提供するサービスも大きく違っていることが分かりました。
しかし、近年は中国でも日本式の「快適なサービス」が好まれるようになり、口コミの分析からも日本式の接客が中国人、台湾人から高く評価されていました。
これらの考察から、2021年に中国・天台山に開業した星野リゾートの「嘉助天台」が成功する可能性が高いこと、細部にまで気を配った「おもてなし」を追求すべきだと主張しました。
◎このテーマに決めたきっかけは?
日本には「おもてなし」という世界に誇れるサービス精神があるが、果たしてそれが中国でも通用するのかということに関心を持ち、研究を進めました。
◎論文を通して得られたことや今後の課題について
資料を集め、分析し、論じる、全てが難しく大変でした。それでも、ゼミの先生のご指導もあり、書き上げることができました。 自分の分析を論文の確かな根拠とするためにどのように表現すべきかが今後の課題です。
◎今後に生かしたいこと
卒業後、サービス業で働いています。今回の論文で学んだことを生かして接客していきたいです。
◎福大での4年間を振り返って
1・2年次の時に研修で中国に行き、言語だけでなく、文化や生活についても学ぶことができました。とても印象深い経験で、今の自分に生きる経験だったと思います。