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2022616
教育
研究

【学びの証】「エレクトロポレーションによる脂肪細胞への効率的な遺伝子導入法の確立」-坂口 愛さん-

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『福岡大学学園通信』第72号(令和3年12月発行)では、「学びの証」と題して、さまざまな分野で学ぶ学生たちの卒業論文・修士論文を紹介しました。

その続編として、卒業論文・修士論文から導かれた結論や成果、今後の課題などについて伺いました。ぜひご覧ください。

今回は、薬学部薬学科の坂口愛さんの論文「エレクトロポレーションによる脂肪細胞への効率的な遺伝子導入法の確立」を紹介します。


◎卒業論文のテーマ

エレクトロポレーションによる脂肪細胞への効率的な遺伝子導入法の確立

◎論文の概要

タンパク質の機能を解析するには、細胞外から細胞内へ遺伝子を導入する必要があります。しかし、脂肪細胞を使用する最大の問題点は、細胞外DNAの細胞内への導入が極めて困難なことです。これは多くの研究者を悩ませ、脂肪細胞を用いた分子生物学的研究の進展を停滞させてきました。
そこで私は、エレクトロポレーション法を用いて、電気的に細胞に微小な穴を開け、その穴から細胞外のDNAを細胞内へ導入することに成功しました。この研究には約1年かかりましたが、この手法は、脂肪細胞が起因となる肥満や生活習慣病の基礎研究に大きく貢献できると考えます。

◎このテーマに決めたきっかけは?

どのように脂肪細胞に脂肪が蓄積されるのか?この分子メカニズムに興味があり、このテーマを選択しました。この卒論は、そのメカニズム解明に必要な実験方法を新たに確立したものです。

◎論文を通して得られたことや今後の課題について

所属する研究室では近年、脂肪細胞に特異的に発現する機能未知タンパクを研究しています。しかし、このタンパクの脂肪細胞における機能は全く分かっていません。今後は、今回の研究成果を生かし、この機能未知タンパクを脂肪細胞に強制的に発現、あるいはノックダウンさせることで、生理機能の解明を目指したいです。

◎今後に生かしたいこと

大学院に進むため、積極的に学会に参加して発表することで、プレゼンテーション能力を向上させたいです。また、仮説を実証して論文を作成するために何をすべきか、常に考え、実験に取り組みたいです。

◎福大での6年間を振り返って

知識だけでなく、薬剤師に必要な技術の習得ができた時間でした。楽しいことばかりではありませんでしたが、とても充実した6年間を送れたと思います。
 


薬学部で優秀ポスター発表賞を受賞