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2022317
教育
研究

【学びの証】「遠賀川沿い樋門の遠隔制御に向けたRESTfulな水位計測システムの開発とその運用」-大園 倖暉さん-

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『福岡大学学園通信』第72号(令和3年12月発行)では、「学びの証」と題して、さまざまな分野で学ぶ学生たちの卒業論文・修士論文を紹介しました。

その続編として、卒業論文・修士論文から導かれた結論や成果、今後の課題などについて伺いました。ぜひご覧ください。

今回は、工学研究科博士課程前期の大園 倖暉さんの論文「遠賀川沿い樋門の遠隔制御に向けたRESTfulな水位計測システムの開発とその運用」を紹介します。


◎修士論文のテーマ

遠賀川沿い樋門の遠隔制御に向けたRESTfulな水位計測システムの開発とその運用

◎論文の概要

地域防災に役立つIoTシステムの研究開発を産学官連携で行いました。開発はウェブで用いられている"REST"と呼ばれる設計思想に基づいています。また、再現性や汎用性を持たせるためにクラウドのシステムも開発しました。加えて、高精度で堅牢ながら低コストを実現すべく様々な工夫や実験を重ね、遠隔地での実用を想定して省電力化やパワーマネージメントにも挑戦しました。実用に向けフィールド実験を重ね、システムをブラッシュアップさせ、無事に自治体に納入することができました。

◎このテーマに決めたきっかけは?

テクノロジーを用いて誰かの為になりたい気持ちと、生活を便利にするIoTを学びたい探究心が合致しました。産学官連携研究での地域課題を知り、困っている方々の力になりたいと思ったからです。

◎論文を通して得られたことや今後の課題について

多様な視点から柔軟な発想ができるようになり、フィールド実験やプロジェクトリーダーを経験し、リスクを想定して動くことや調節力や説明力も身に付きました。今後の課題は、IoTシステムを長期運用するための電源部の改善です。改善案は幾つかあるので、それらのフィージビリティ(実現可能性)検証や実装をしていく必要があります。

 

◎今後に生かしたいこと

1つのシステムをノウハウなしで、ゼロから運用可能段階にするためには、開発知識に限らず幅広い周辺知識が求められ、その上で手を動かし、実環境での実験を行い、何度も試行錯誤しながら納期厳守で研究を行う必要があります。とても大変で今までの人生で一番苦労したと思います。しかし、それ以上に達成感や社会へ貢献できた喜びが大きく、挑戦して良かったと感じています。

◎福大での6年間を振り返って

福大に入るまでは「全力で取り組んだ」と自信を持って言えることがありませんでしたが、この6年間は納得いくまで頑張ることができたと思います。特に研究室配属後は、好きな分野に徹底して取り組め、合わせて9度の学会発表や国際会議での受賞、学術奨励賞の受賞などの結果を残せました。何不自由なく思う存分に努力できる環境を提供していただいた先生や福岡大学に、心から感謝しています。