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2021226
産学官連携

自治体のコンクリート橋梁補修DIYを支援する福岡大学

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工学部社会デザイン工学科 櫨原 弘貴 助教と学生らが、直営補修の技術講習を支援

道路や橋といった交通インフラに使われるコンクリートの経年劣化に伴う補修は、どの自治体にとっても大きな課題となっています。しかし、補修を専門業者に委託すると費用がかかり、財政に余裕のない自治体にとっては大きな負担となります。そこで、緊急性や難易度の低い補修工事を自治体職員が自前で施工(DIY)できないか検討されています。

このような背景から、公益財団法人 福岡県建設技術センターは自治体向け直営補修の技術講習を2020年11月に初めて実施しました。の時、本学で土木材料・維持管理工学を研究する櫨原助教と学生らが講習会を支援しました。

講習会には、定員を超える24の自治体が参加し、関心の高さがうかがえました。受講者は橋梁の維持管理業務に携わる自治体の職員。内容は、コンクリート橋の補修に必要な知識と技能を学び、直営補修の実習を行うものでした。

講習会の前半では、櫨原助教が「コンクリート橋の劣化と補修」と題して、劣化の要因と延命化できるひと手間について講義を行いました。また、補修実習では櫨原助教と学生が事前に鉄筋入りのコンクリートの供試体を製作し、それを劣化した橋脚や床版と見立てて、受講者がポリマーセメントで修復する工程を実演。接着の強度は見ても分からないため、補修した試体は本学に持ち帰って、修復した部分の強度を学生が分析し、評価したうえで受講者にフィードバックしました。

 

鉄筋入りのコンクリートの供試体を製作:福岡大学

補修実習の様子

  • 今後に向けた抱負:櫨原助教
    「今回の講習は、全国初の試みでした。本学が講習を支援することで、交通インフラの維持管理に携わる職員の技能向上が補修効果に与える影響や、各自治体の現状・課題を把握できました。これらの情報取得は、今後DIY補修システムを構築していく上で大きな成果と言えます。現在は、確実な補修効果を享受できるようローコスト、ローリスク、ローテクな補修技術の開発や、各自治体と連携して適切な補修システムを模索しています。将来的には、社会実装して社会的問題を軽減し、DIY補修を全国に広めていきたいと考えています。」