FUKUDAism(フクダイズム)

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202087
研究
産学官連携

九州地方8月上旬の煙霧は「西之島噴火」の噴煙が原因

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福岡市では8月2日(日)午後から大気が霞んで見える状態が続いています (図1)。地上観測からPM2.5濃度や火山ガスに含まれる二酸化硫黄 (SO2) の濃度上昇が観測されています (PM2.5濃度は60 µg/m3以上; 図2)。また、福岡大学に設置しているライダーによる観測からは地表付近 (高度2 km以下) でPM等の粒子の増大が観測されました。山梨大学との共同観測データからも鉱物粒子と思われる非球形の粒子も多数観測されています。


図1. 2020年8月6日17時半ごろ福岡市内の様子 (福岡市・薬院から撮影)

気象データの解析から、太平洋沖に高気圧が停滞しており、約1,000㎞離れた西之島の噴煙が4~5日程かけて福岡に到達したことが明らかになりました (図4)。火山ガスに含まれる二酸化硫黄 (SO2) の輸送は人工衛星からも観測されており、地上観測と合致しています (図5)。この衛星観測から西日本で広く噴煙の影響が出ていることが推測されます。なお地上でスス(EBC)濃度やオキシダント(Ox)濃度の上昇が見られないことから、大陸起源のPM2.5輸送の影響は小さいものと考えられます (図2)。

福岡大学では、PM2.5の成分についてさまざまな観測を行っており、今回の煙霧についても今後詳細な解析を行っていく予定です (図3は採取した粒子の一部)。


図2.  福岡市内で8月2日(日)午後1時頃からPM2.5の増大が確認されました。火山ガスであるSO2濃度の上昇も観測されています 〔スス濃度,PM2.5濃度,二酸化硫黄 (SO2) 濃度,オキシダント濃度エアロゾル粒子数濃度の時系列。スス濃度は気象研究所との共同観測,PM2.5, SO2, オキシダントは環境省大気汚染物質広域監視システムによる観測データ(速報値)〕。


図3. 福岡大学で8月6日に採取した粗大鉱物粒子の一部(>2 μm)


図4.空気の起源 (気象庁MSMデータを利用) の例。西之島近辺の空気が4~5日で福岡に到達していることが分かります。


図5. 人工衛星 (TROPOMI) による二酸化硫黄 (SO2) 観測 (8月3日 (上);8月5日 (下)。ベルギー宇宙航空学協会(BIRA-IASB) 提供; https://sacs.aeronomie.be/nrt)。

研究協力:気象研究所、山梨大学、ベルギー宇宙航空学協会 (BIRA-IASB)

問い合わせ先: 福岡大学理学部・福岡から診る大気環境研究所

  • 福岡から診る大気環境研究所のウェブサイトはこちら