FUKUDAism(フクダイズム)

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2023311
キャンパスライフ

学生の想いが大学を動かした、3.11東日本災害ボランティア「福岡大学派遣隊」

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2011年3月11日、マグニチュード9.0の日本国内観測史上最大規模、世界でも4番目の規模(アメリカ地質調査所の情報、1900年以降)の地震で巨大な津波が起こり、甚大な被害が生じました。

それから今年で12年。福岡大学では、2011年に東日本災害ボランティア「福岡大学派遣隊」を結成し、それ以降毎年、現地へ赴きボランティア活動を行ったり、災害・防災について学ぶ機会を設けたりして、活動を続けています。

2011年当時、被災者の方が学生に伝えた「被災地のことを忘れないでほしい」という言葉は、今も変わらず本学で強く意識し、その想いは至るところで受け継がれています。今回、3.11にあわせて、当時の学生の想いや様子を紹介します。

福岡大学では地震発生後、学生から「被災地の支援をしたい」「現地に行き被災者の力になりたい」という申し出が後を絶たず、東北地方で起こった大震災を自らの問題として捉え行動を起こす学生の熱意に満ちていました。

学生の想いは強く、それを受けて本学は、被災地の正確な情報把握や安全面の確保、援助内容の検討など、さまざまな事情を勘案し、事前準備を十分に行ったうえで8月22日~8月25日に30人、現地に学生を派遣することを決めました。

派遣に向けて事前研修(4回)

結団式、学生の決意表明

東日本災害ボランティア「福岡大学派遣隊」の参加者説明会を実施したところ、100人を超える学生が参加。震災発生から時間が空いたにもかかわらず、学生の熱意は薄れることがありませんでした。その真剣な眼差しや姿は、予定の派遣者数30人という大学決定の枠を動かし、希望者全員の100人超に変更させる程でした。

実践訓練、炎天下での活動を想定し清掃作業を実施

直前研修

100人超の隊員は、3カ月にわたる事前研修を経て、「心ひとつに」の言葉のもと、卒業生や教職員が同行し現地に赴きました。学生は、被災地の状況を目の当たりにすると、報道から抱いていたイメージとのギャップにショックを受けます。活動内容も想定とは異なることが多々ありました。

その時、派遣隊の心得としていたのは、「自分たちが恩恵を与えるのではなく、被災者の方の気持ちを理解し支援しよう」ということでした。現地でその想いを受け止めようと真剣に被災者の方のお話に聞き入っていた学生らは、その後の学内報告会で伝え、学友に伝え、家族や知人に伝えていきました。

バス3台で現地に赴き、瓦礫の撤去や側溝の清掃を行う

活動報告会、継続して何ができるかを考えた

12年経った現在、その想いは、熊本地震、九州北部豪雨をはじめとした学生ボランティアの活動はもとより、実にさまざまな場面で現れています。

本学では、共通教育科目や専門教育科目で「防火・防災」についての科目を開講し、多くの学生が「防火・防災」に関して学び、研究に取り組んでいます。また、地域と共に防災訓練を行ったり、市民講座を開講して「防火・防災」意識の向上にも努めています。

現在、「福岡大学派遣隊」は「夏期セミナー」に名称を変えて想いを引き継ぎ、震災だけでなく広く「防火・防災」についても学び活動する取り組みへと昇華しています。被災者の方からの声を風化させることなく、参加した学生の想いが色あせることなく、今後も福岡大学は、一体となって地域と共に「防火・防災」活動を進めていきます。