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20221222
キャンパスライフ

書道部の2人が「改組 新 第9回日展(日本美術展覧会)第五科」に同時入選しました

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福岡大学書道部の前幹事の三上意織さん(人文学部日本語日本文学科4年次生)と現幹事の松田航太さん(工学部電子情報工学科3年次生)が、「改組 新 第9回日展(日本美術展覧会)第五科」で同時入選しました。この日展は、明治40年から続く美術展で、今年115年目を迎える日本最大級の公募展です。歴史的にも、東山魁夷、藤島武二、朝倉文夫、板谷波山、青山杉雨など、多くの著名な作家を輩出してきました。5つの部門 [日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書] の作家が年に1度の日展のために制作した珠玉の新作が揃う、世界でも類をみない規模の総合美術展覧会となっています。

「​今回の日展五科は、搬入作品数8,576点のうち入選数1,089点。非常に狭き門であり極めてレベルの高い展覧会に、学生である私たちが入選できたこと、書道科がある訳ではなく部活動として活動している大学の書道部から前幹事・現幹事が揃って入選できたことは、快挙と言えるだろうと思います」と三上さんと松田さんは話します。二人に詳しく話を聞きました。


  • 三上意織さん(人文学部日本語日本文学科4年次生:前幹事)

・今回の書道展に向けて頑張ったことを教えてください。
日展は極めてレベルの高い展覧会で、並大抵のことでは入選できません。普段から大切にしていることですが、とにかく「たくさん書いて枚数を重ねていく」ということを今回はより意識して頑張りました。線質の良い作品に仕上げることができたのは、その成果だと思います。今回の日展において書いた枚数は140枚ほどでしたので、先生方からはまだまだ足りないとお叱りを受けるかと思いますが、何とか爪痕を残すんだと気持ちを強く持って、限られた時間の中で精一杯頑張りました。

・作品をつくる際に大切にしていることは何ですか。
自分の作品をずっと書いていると、「どのような作品が良いものなのか」「美しいものはどのようなものなのか」ということが分からなくなり、自分の目指すところを見失ってしまう時があります。そういう時は、作品を書く気持ちが切れかけてしまうので、さまざまな美術展で美しいものやより良いものに触れ、目を養うようにしています。これまでの展覧会の図録等を通じて、諸先生方の作品を観ることも大切にしていることの一つです。

また、紙や墨・筆などはなるべく妥協せず、作品に合った質の良いものを選ぶようにしています。

・今回受賞しての感想をお願いします。
「絶対に入選する!」と意気込んで作品を書いていましたが、今回の入選は、自分でもただただ驚いています。高校生の時から書道を続けてきましたが、まさかこのような日が来るとは・・感無量です。嬉しい反面、これから私に求められるレベルが高まったと考えると、非常に身の引き締まる思いがします。
今回の入選は、ひとえに、これまでご指導くださった先生方やずっと応援してくれていた両親など、多くの方の存在があったからだと思っています。感謝の気持ちと謙虚な姿勢を忘れずに、これからも書道に励んでいきたいと思います。

・今後の目標を教えてください。
これからは、日展作家として見られると思いますので、これまで以上に書を学び、身を引き締めて作品制作にあたっていかなければと思っています。今後の具体的な目標としては、日展への入選を2回、3回と積み重ねていくことです。一生懸命に書を学び、結果を積み重ねていくことで先生方や両親をはじめ、応援していただいている皆さんへ恩返ししたいと思っています。

また、私は国語の教員免許の取得を目指していて、教師として生徒に国語と共に書道も教えられるようになりたいと思っています。大学卒業後は通信教育で書道の教員免許を取得するための勉強にも励んでいきたいです。


  • 松田航太さん(工学部電子情報工学科3年次生:現幹事)

・今回の書道展に向けて頑張ったことを教えてください。
私が高校生の時の書道部顧問の先生から20代での入選は難しいという話を聞いていました。日本でもトップの書家が集まる展覧会です。大学生ですので、授業の合間や放課後の空いている時間でとにかく枚数を書きました。線質やキレ、書技に関してはまだまだ未熟なのは分かっているので、若い世代ならではの勢いや迫力を出すことを意識して頑張りました。

・作品をつくる際に大切にしていることは何ですか。

とにかく練習をすることだと思います。まずは人より多く書き込む、その上で先生や先輩・後輩、時には書道未経験である両親にも作品を見てもらい率直な意見をもらいます。その意見を自分なりにできるだけかみ砕いて作品に反映するようにしています。

もう1つはさまざまなパターンを書くことです。同じ字でも形や大きさを変えるなど複数通りの工夫をしています。書いていくうちにぴったりとはまるものが書き上がる時があります。展覧会や過去の古典を観る際もなぜこのように書いたのか、なぜこの作品が美しく見えるのかを意識して鑑賞するようにしています。

・今回受賞しての感想をお願いします。
最初、驚愕したことを今でも思い出します。その後、喜びが沸き上がってきました。受賞翌日からは、これから先は変なものを世に出すわけにはいかない、日展入選者として見られることへのプレッシャーも感じました。おかげで日々の練習に、より身が入るようになりました。

・今後の目標を教えてください。
幹事として書技向上はもちろんのこと、大学卒業までに自分が学んできたことをできる限り後輩たちに伝えていくことが今後の目標です。その上でさまざまな展覧会に出品していこうとも考えています。