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20221114
キャンパスライフ

図書館で学ぼう講座「書物の小宇宙」を開催しました

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11月9日(水)、福岡大学人文学部日本語日本文学科の須藤圭准教授が講師となり、図書館で学ぼう講座「書物の小宇宙」を開催しました。書物がどのような変遷をたどってきたのか、書物にはどのような思想があらわれているのか等について、本学図書館が所蔵する貴重書を手がかりに書物の歴史を探りました。

本講座は2部制で、1部では須藤准教授による講義が行われ、2部では列帖装に取り組むワークを行いました。

講義を行う須藤准教授

人文学部や法学部の学生が参加

講義では、古い時代から人々の身近にあり多くの知恵を与えてくれる文字や書物について話がありました。

・世界で最も古い文字は、紀元前3500年頃に生まれたウルク文字。
・人と人がコミュニケーションを取っている中で、文字が発明されていった。
・物体はそれ自体しか意味を与えないが、文字は人の考え、生き方、歴史、思想、知識を描くことができ、人間というものの全てが残されている。
・文字は人の思考をあらわし、人にとって欠かせないものになった。その文字によって綴られた書物には、人の「生」のありかたがつまっている。
・書物は、人ではないが人そのもの、人間の存在そのものと考えられる。
・手で書かれた日本最古の書物は、『法華義疏(ほっけぎしょ)』(飛鳥時代、615年)に書かれたもの。
・印刷された日本最古の書物は、『百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)』(奈良時代、770年頃)に作られたもの。
・紀貫之によって著された『土佐日記』は、博多の人によって印刷され出版されたこともあった。

古い書物に興味津々

由緒ある書物は正方形であることが多い

大変興味深い話が続く中、江戸時代に書かれた『伊勢物語』を例に挙げ、古い書物の中で由緒あるものは、列帖装という装丁方法であつらえていると解説がありました。列帖装とは、紙を複数枚重ねて二つ折りにしたものを並べ、糸で繋ぎあわせたもので、本講座に参加した学生は実際に列帖装に挑戦しました。

「図書館は学びの中心」と須藤准教授

列帖装に挑戦

須藤先生は、「書物にはその書物を書き残した人の思いや思想が残されている。書いた人はどういうことを考えていた人だったのかがつまっていることを考えると、書物は小宇宙とも言える」と話し、参加学生に「書物が集まる図書館は、人類がこれまで積み重ねてきた歴史や思想の宝庫。どんな人がどんな思いで書いたのかも考えながら読んでほしい」と言葉を送りました。