FUKUDAism(フクダイズム)

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2020127
キャンパスライフ

非行経験少年の立ち直りを支援 矢野裕香さん

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非行経験がある中学生の立ち直りを支援するボランティア「少年警察学生サポーター」では、警察署と大学生が協力して、街頭補導や体験活動、学習支援などを実施しています。学習支援のボランティアに従事している矢野裕香さん(人文学部教育・臨床心理学科3年次生)に話を聞きました。


活動参加のきっかけや活動について教えてください。
元々、大学生になったらボランティア活動をすると決めていました。1年次生のゼミで、福岡少年警察ボランティア協会の紹介があったのをきっかけに、「少年警察学生サポーター」に登録しました。さまざまなボランティアの中でも、高校受験であれば自分も経験したことなので、力になれるのではないかと考え、学習支援のボランティアの参加を決めました。一昨年は週に1回、昨年は2週間に1回、約1時間半の勉強会を行いました。少年たちと話し合って特に頑張る教科を決めて、その教科を中心に、ドリルや過去問題などを用いながら、なるべく希望に沿った形で行いました。急に他の教科の勉強がしたいと言われる時もあり、その時はリクエストに応えて教えることもありました。


学習支援のボランティアの重要性はどんなところだと思いますか。
この活動を通して、少年たちに、自分を応援してくれる大人が身近にいると知ってもらうことが重要だと思いました。警察官や学校の先生という職業は、時に思春期の少年たちから敵視されることがあると思います。そのような職業の大人たちが、学校以外にも少年たちのために勉強する機会を設けることで、周囲の大人が敵では無いと知ってもらうことに繋がると考えています。また、そこに大人とも子どもとも言い難い大学生がボランティアとして参加することで、大人に対する反抗心を出さずに勉強に取り組める空間ができると思います。少年たちの「勉強を頑張りたい」という気持ちを汲み取るためにも、この活動は必要だと思います。


ー活動を通して、工夫したことはありますか。
中学3年生と大学生という微妙な年齢差なので、初めは何を話したらいいのか分からず、仲良くなることに苦戦しました。仲良くなるためにも、少年たちの様子を見て、少年たちが疲れてる時は、勉強のペースを落として雑談の時間を多くしたり、休憩を多めに取るなどして、少年たちのペースに臨機応変に合わせる工夫しました。ペースを合わせることで、少年たちの会話に入れてもらえることが増えたので、少しずつ距離を縮めることができたと思います。また、学校と違う形式で勉強を教えることにも工夫をしました。少年たちは放課後に来ていたので、学校の授業の繰り返しにならないように、できるだけ学校の一斉授業のような講義形式は行わないように意識していました。

ー印象に残っていることは何ですか。
一昨年も昨年も、回数を重ねるごとに少年たちが「休憩いらない」と言うようになったことが特に印象に残っています。学校が終わった後に来て、疲れている中で勉強しているにも関わらず、休憩を取らず勉強を続けようとする姿を見て、凄いと思いました。


ー今後の目標を教えてください。
私は公認心理師を目指しています。新型コロナウイルスの影響で、対面授業が難しくなり、今までよりも一人で頑張らなければならない時間が増えましたが、自分のペースで大学院の入学試験や公認心理師試験に合格できるようコツコツ勉強していきたいです。この活動を通して、上辺だけでその人のことを判断するのではなく、その人の内面を知ることができるように努めることが大事であると学びました。これはカウンセラーになった時だけでなく、普段の生活にも言えることですが、その人がどのような人であるのかという視点を持つことによって、より豊かな関わり合いができると考えています。


活動が認められ令和元年度には学生部長賞を受賞