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2021928
卒業生

"ワンチーム"を胸に -高圧ガス工業(株)代表取締役社長・黒木幹也さん-

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高圧ガス工業株式会社代表取締役社長
黒木 幹也さん(1988年経済学部経済学科卒業)

ガス事業、化成品事業、ITソリューション事業などを全国展開する高圧ガス工業株式会社〔東証一部上場企業〕。2021年6月から代表取締役社長を務める黒木幹也さんに、在学中の思い出等を伺いました。


  • プロフィール
    名前:黒木 幹也(くろき・もとなり)
    経歴:佐賀県出身。1984年に福岡大学経済学部経済学科に入学し、在学中は少林寺拳法部に所属。3年次からのゼミでは国際経済学を専攻する施昭雄教授のゼミに所属した。大学卒業後の1988年に高圧ガス工業株式会社に入社。2021年6月に代表取締役社長に就任した。

ー福岡大学に進学した理由を教えてください。

高校卒業後の進路を考えたとき、就職するか大学に進学するか迷いました。大学に進むことを決めたのは所属していた剣道部の顧問の先生から大学進学を勧められたからです。「今後の社会で生き抜いていくために、大学に行って知見を深めた方がいいぞ」と背中を押されました。

福岡大学に進学したのは、学問とスポーツを両立できると考えたからです。大学でもスポーツを続けたいと思い、どの部活も強かったことは決め手の一つになりました。関東や関西の大学も受験しましたが、「九州から離れてほしくない」という両親の希望もあって、福岡大学に進学しました。

ー福岡大学での4年間の思い出や、印象に残っているエピソードをお聞かせください。

印象深いのは少林寺拳法部での活動とゼミナールです。

まず部活動ですが、入学後にどの部活動に入るか悩んでいたところ、当時住んでいた寮の寮長が少林寺拳法部の主将で、熱烈な勧誘を受けて入部を決めました。特に1・2年次生の時は先輩方からたくさんの叱咤激励を受け、キツい思いをかなりしました。3・4年次になると、「ワンチームで頑張っていこう」という部の雰囲気が徐々に生まれ、もちろん練習は厳しかったですけれども、部員全員で一つの目標に向かって一生懸命取り組みました。その結果、全国大会でベスト4まで進むことができました。

3年次からのゼミでは、経済学部の難関であった施教授のゼミに入りました。優秀な先輩方と13人の同期に恵まれ、こちらも“ワンチーム”で切磋琢磨しながら勉強に励みました。また、ソフトボール、ボーリング、ゼミ旅行等の遊びの面でも活動的なゼミでした。社会人になってからも私は一貫して“ワンチームの精神”を大切にしていますが、大学時代のゼミや部活動での経験が根底にあります。

ー現在のお仕事に就くまでの経緯を教えてください。

就職活動では、大手ビール会社や旅行会社などを受験しましたが、希望する企業から内定を得ることはできませんでした。就職浪人も考えましたが、当時の就職課の方から現在の職場を紹介いただきました。

正直、紹介を受けるまで名前すら知りませんでした。加えて、ガスについてもよく知りませんでしたので、何か危険なものを取り扱っている会社という印象が強く、不安が大きかったですね。

入社後、最初の半年間は雑用のような仕事が多く大変でした。ただ、福大時代の少林寺拳法部で培った精神力で乗り切ることができました。どんなに辛くても、前を向いて頑張る力が身に付いていたんだと思います。また、当時の同期や先輩方との繋がりも大きかったですね。「人の話をよく聞くこと。そして自分の目で見ること。それから自分の頭で考えたことを主張できるような人になりなさい」とよく言われたものです。この言葉は今でも大切にしていて、後輩にもよく話しています。

-社長に就任されるまでの印象的なエピソードなどをお聞かせください。

35歳の頃、今でも印象に残っているエピソードがあります。当時、国家プロジェクトで約200人が作業を行うメガフロート(海上に浮かべる浮体式構造物)にガスを供給するという大きな仕事を任されました。ある時、そのガス供給がストップしてしまい、何百人もの人に問い詰められたことがありました。どうしようかと思いましたが、プロジェクトの責任者の方がその方々に真摯に説明し、何とか事態は収まりました。まさに現場で“ワンチーム”や“人との繋がり”を感じた瞬間でした。今でも私のモットーとなっている所以です。

-今後の抱負・目標を教えてください。

目まぐるしいスピードで社会が変化しています。時代の変化に適応し、慣習にとらわれずに変革できる企業を目指したいと思っています。そのためには、企業で働く仲間たちが活力を持って働ける職場にしなければならないと思います。

また、お客さまあっての会社です。私たちのメイン事業である「ガス」は、他社との差別化を図りにくい部門ですから、信頼や実績などを含めた“私たち人間”を評価していただくことが大切だと思います。そのためにも、私が学生時代から大切にしてきた“人とのつながり”や“ワンチームで頑張る職場”をつくり上げていかないといけないと感じます。

ー最後に、福岡大学で学ぶ後輩へのメッセージをお願いします。

西日本屈指の総合大学である福岡大学には、27.5万人を超えるポテンシャルを持った卒業生がいらっしゃいます。その先輩方に続くぞ!という気概を持ってほしいです。

また、在学中はよく学び、よく遊んでほしいと思います。思いついたことに果敢にトライし、ダメだったら反省してまたトライする。それが許されるのが大学時代ですし、そうした過程から学べることがたくさんあると思います。

また、私がずっと大事にしてきたことですが、人の話をよく聞いて、自分の目で確かめて、頭で考えることを大切にしてほしいです。そして自分の思うところを主張できる人になってほしいと思います。昔と違って、今は情報があふれています。良い情報もあれば、悪い情報もあります。よく聞き・よく見て・よく考えることで、その情報の選別もしやすくなるはずです。