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20201217
卒業生

熊本県を中心に建物の型枠工事を展開-株式会社中野工務店代表取締役 中野 廣さん

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株式会社中野工務店 代表取締役
中野 廣さん(1980年経済学部経済学科卒業)

熊本県を中心に型枠工事を担う創業57年の建設会社、株式会社中野工務店。代表取締役を務めるのは、本学卒業生の中野廣さんです。過去には九州国立博物館や福岡大学A棟の建設工事に携わり、2018年には黄綬褒章を受章されました。在学中の思い出などを伺いました。

在学中、少林寺拳法部の仲間と共に(前列中央が中野さん)

2018年に黄綬褒章を受章


  • プロフィール
    名前:中野 廣(なかの・ひろし)
    経歴:1980年に経済学部経済学科を卒業。卒業後は鹿島建設九州支店に入社し、約5年にわたり福岡市内の現場に勤務した。鹿島建設を退社した後、父が営む株式会社中野工務店に入社。長年の功績が認められ、2016年に国土交通大臣賞、2018年に黄綬褒章を受賞した。

-​福岡大学に進学した理由を教えてください。

高校時代に空手道をしていて、現在も一番の親友である西山徳幸さん(現・熊本県空手道連盟理事長)に、「俺は福大に空手しに行くけん、一緒に行かんや?」と誘われたのがきっかけです。

しかし、大学でも西山さんと一緒に空手をしようと意気込んでいた矢先、内臓疾患にかかってしまい、医師から運動禁止を告げられました。「これじゃ空手が出来ないな…」とキャンパス内を歩いていると、高校時代の先輩に見つかり、少林寺拳法部に半ば強引に勧誘されました。結局断ることはできず、いつの間にか少林寺拳法部に入部してしまったのが入学時の思い出です。

-福岡大学での4年間の思い出や、印象に残っているエピソードをお聞かせください。

私が入学した昭和51年は、『嗚呼!!花の應援團』という応援団をテーマにした漫画が人気を博していました。入部した少林寺拳法部もその漫画の世界のようなもので…通学時は学ランを身にまとい、試合前には全員丸刈り頭に、練習や合宿はとても過酷でした。特に昭和53年の福岡市渇水の時は、授業が休講になったおかげで練習時間が長くなり大変な思いをしましたが、おかげで九州大会では10連覇を果たしました。今となってはとても良い思い出です。

在学当時も福大の運動部はどこも強豪で、陸上競技部の男子駅伝が全日本大学駅伝で初優勝を飾ったときは、我が事のように嬉しかったのを鮮明に覚えています。今でもたくさんの運動部の先輩・後輩と深い付き合いをさせてもらっていて、その時の人脈が現在の仕事にも大きく役立っています。

-卒業後、現在のお仕事をされるまでの経緯を教えてください。

卒業後は鹿島建設九州支店に入社し、福岡市内の現場に勤務しました。当時の鹿島建設では、TQC(全社的品質管理)活動でデミング賞を受賞しており、現場の上司がとても教育熱心なこともあり、品質管理の重要性をはじめ、建設における大切なことを多々教わりました。約5年の在籍期間で素晴らしい上司に恵まれたことは、現在の仕事に大きく生きています。

昭和60年に、父から「そろそろ帰って来ないか?」と言われ、父が営む株式会社中野工務店に入社しました。

-現在のお仕事、特に中野工務店が専門とする型枠工事について教えてください。

型枠工事とは、鉄筋コンクリートの建物や構造物を造るためにコンクリートを流し込む枠を形成する工事を指します。中野工務店では、様々なデザインに対応できますし、災害に負けない高強度の建物造りも得意としています。日本の土木建築の技術は世界トップレベルです。建設業においては、設計者やゼネコンが特に注目されますが、2次元の設計図を立体的な3次元の世界に展開するには、多くの専門工事業の職人の技と力が必要とされるのです。

福岡大学に関係する建物でいえば、A棟や大濠中学校・高等学校の校舎棟・体育館棟の工事にも携わりました。A棟の工事では、工期が入試期間と重なって夜間の作業となり、とても寒かったのを覚えています。大変な作業でしたが、現在も在学生に利用してもらっている母校の建物に携われたことは本当に嬉しい限りです。

-今後の抱負について教えてください。

建設業、特に型枠工事は技能者の高齢化と人材不足が深刻です。現在、若手にこの仕事に就いてもらうのと、その育成が重要な課題となっており、我が社では29歳以下が6割以上を占める若手技能集団を作るなど、この課題に真剣に取り組んでいます。

現在私は、熊本県の型枠組合の理事長を務め、講演依頼を受ける機会も多くなりました。今後も引き続き、ものづくりの魅力を伝え、若手技能士の育成に尽力していきたいと思います。

-最後に、福岡大学で学ぶ後輩へのメッセージをお願いします。

私は福岡大学への母校愛は誰よりも強いと自負しています。福岡大学の先輩・後輩が国内外で広く活躍していることを心強く思いますし、後輩の皆さんも福岡大学に誇りを持ち、いろんな事にチャレンジしてください。

「見る夢は覚める。追う夢は叶う。」

私の最も好きな言葉です。ぼんやり夢を思い浮かべても、叶うことはありません。【夢を追う=行動する】ことでのみ、夢への道は拓かれるのです。