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2020630
卒業生

小説家 桐衣 朝子 さん

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小説家
桐衣 朝子 さん(2001年人文学部文化学科卒業)

 

「福大で学ぶことが楽しくて仕方なかった」と桐衣さん

漫画家・キリエとして活躍する娘たちと

人生はいくつからでも挑戦可能。
どんなことが起きても前を向いて進み続けて。

61歳でデビューを果たした遅咲きの小説家・桐衣朝子さん。雑誌「Precious」(2020年4月号)の特別企画「40代・50代で、新しい働き方を選んだ女性たち」に取り上げられました。

46歳で福岡大学に入学、その後、大病を経験しながらも、今もなお夢を追い続ける桐衣さんを紹介します。

 


−福岡大学に進学したきっかけを教えてください。

家庭の事情で高校卒業後すぐに大学進学はしませんでしたが、「勉強したい」という思いはずっとありました。当時中学生の娘たち(漫画家・キリエ姉妹)に、夢を追いかける姿を見せたいという気持ちもあり、社会人入試制度を利用して46歳で入学しました。

−福岡大学での4年間の学びはいかがでしたか?

本当に楽しくて楽しくて。人生でこれ以上楽しいことはなかったくらいです。授業は常に最前列で聞き、学問の楽しさに没頭しました。大学で得た知識全てが、私の栄養分になっています。福大に入っていなければ、小説家としての今の私はなかったと思います。

−卒業後に、小説家を目指した経緯を教えてください。

今から数年前、私は乳がんを宣告されました。当時はとても落ち込みましたが、それと同時に、「小説を書かなくちゃ」という思いがふと心に芽生えたのです。

実は病気が発覚する数年前、娘から「私たちのために、何か物語を書いてくれない?」と突然リクエストされました。最初は驚きましたが、書き進めていくうちに物語を書く楽しさにのめり込んでいったのです。

そんな経験もあって、私と同じように絶望している人に、何かしてあげたいと自然と思ったのでしょう。私にとってそれは、小説を通して言葉を伝えることでした。

−福岡大学で学ぶ学生に、メッセージをお願いします。

人生はいくつからでも挑戦できます。また、病気や失敗など、一見不幸に思われることでも、実はその人にとって素晴らしいものを運んできてくれるのものです。だから、この先どんなことがあっても投げ出さないでほしい。いつかそれが皆さんの財産になります。前を向いて、進み続けてほしいと思います。

 

人のために尽力する「利他」の精神を大切にしている桐衣さん

娘の漫画家・キリエさんから福岡大学へ、「4分間のマリーゴールド」のイラスト