福岡大学 大学案内2026
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る」という人もいます。マラソンを走って1キロで辛いと感じる人がいれば、100メートルで辛いと感じる人もいるように、同じ物事に取り組んでも、受ける感情は人それぞれ。じゃあ、どうして人それぞれの感じ方があるのかなと考えるようになり、その人の背景まで考えるようになりました。背景を考えることによって、他者との関わり方も変わってきます。これは福岡大学の3年間で鍛えられた力だと思います。植上 そのような学びは、看護師になってからも生きる力ですね。鶴田 「その人の背景を考える」という言葉が、素敵ですね。今の時代はどちらかというと、プライベートな部分に踏み入れることはNGとされていて、それによるリスクを考える方が先行してしまいがちです。尾崎さんのように、難しく考え過ぎずにできてしまうことは本当に素晴らしいですね。橋口さんはいかがですか?橋口 僕は、大学は自分の好きなこと、やりたいことを再認識させてくれるところだと思います。ものづくりをしたいな、というフワッとしたイメージで機械工学科に入ったのですが、複数の分野に触れる機会が、自分の得意や興味を再認識させてくれたように思います。鶴田 橋口さんは途中で分野を変えていますね。勇気がいることだと思いますが、抵抗はなかったですか?橋口 大丈夫かなという漠然とした不安はありました。でも、それ以上に自分の興味が勝ってしまいましたね。学んでいく中で、ものづくりの設計も楽しいけど、強度の実験の方がもっと楽しいと思うようになって。本当に興味の赴くままに進んだ感じですね。植上 すごく素敵な進路の見つけ方だと思います。鶴田 尾崎さんは医師から看護師に夢が変わったそうですが、葛藤はありませんでしたか?尾崎 自分の特性、性格に合ったものをついに見つけた、福岡大学の学生は広大なキャンパスで「みんな違って、みんな良い」を知る。尾崎友美 さん /3年次に半年間の病院実習を経験し、強いやりがいを感じた。将来は、特定の看護分野においてより高度な技術と知識を要する「認定看護師」や「専門看護師」を目指している。という感覚の方が大きかったですね。植上 それはすごい!尾崎 医師を目指していた時は、病気という抗えないものに苦しむ人を助けたいという思いでした。しかし、病気だけでなく、精神的なフォローもできるのは看護師だという確信を持てるようになってからは、迷いは無かったです。植上 3人の方のお話から、大学で学ぶ目的にも種類があることに気付きますね。橋口さんは学問的な興味を追求するため、尾崎さん、宮嵜さんは職業に就くことを最終的な目的にされています。どちらも立派で、明確な目的があるので、学習効果も上がりやすいと思います。 一方で、これ以外の目的を持って大学に進学される学生さんもいます。例えば、大学生活を楽しみたい、部活動を頑張りたい、人間関係を広げたいなど。実は教育学の観点では、そのような目的意識も成長の大事な要素になると考えられています。鶴田 学生の皆さんに将来の夢や大学に来た目的を尋ねることがありますが、「それを見つけるために大学に入りました」と答える学生さんはたくさんいらっしゃいます。今の植上先生のお話のように、それはそれで良いことだと思い商学部 経営学科2年次生宮嵜妃奈乃さん(福岡県 城南高校出身)医学部 看護学科4年次生尾崎友美さん(福岡県 福岡大学附属大濠高校出身)人文学部教育・臨床心理学科植上一希教授Fukuoka University Guide 2026005

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