福岡大学 大学案内2017
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伊藤忠商事に入社して数年間、農産物の輸入事業に携わっていた出田さん。担当者だった当時は、フィリピンにバナナ、アメリカにレタス、ニュージーランドにはトマトやトウモロコシ等、農産物を買い付けるために世界各地を飛び回っていたと言います。「商品によっては数十から数百トンの大量買い付け。この経験のおかげで英語も上達し、タフな交渉力も身に付きました」。出田さんは爽やかな笑顔でそう話します。 福岡大学を卒業後、就職したJA全農で、青果担当として日本の農業が抱える課題に向き合ってきました。天候に左右される生産の多寡、その生産物も旬の時期にしか売れない不安定さ。そのような課題は、熊本県の農家に生まれた出田さんにとって、人ごとではありませんでした。「課題解決のために流通の整備をメーンにした、農産物安定供給の基盤作りを行う」という「志」を持ち、生産の現場から売り場までのシステムの見直しに携わりました。しかし数年を経て、ある焦燥感に捉われます。現在の職場ではシステムをピンポイントで改善できても、システム全体を変革することは難しいのではないか。立ちはだかる新しい課題に、転職という思い切った行動でぶつかります。縁あって選んだ転職先は伊藤忠商事。世界を舞台にした商社で「生産者と実需者を直結する、農産物の新しい供給システムを作る」ことがテーマになりました。入社後、生産の現場との交渉で日本全国を行脚。国内生産の手薄な時期をフォローするために、世界各地で買い付けに奔走。「熊本の農家の息子がいつの間にか世界を視野に入れ、国際社会へ飛躍していました」と話す出田さん。「志」を胸に飛躍する、その熱い原点は大学時代にありました。 「実家は代々続く農家。父は若い頃、国際農友会の研修生として長期間アメリカに派遣されていました」。その影響もあって海外への関心が自然と芽生え、福岡大学商学部貿易学科に進学。そこには大きな二つの出合いが待っていました。一つは体育部会のヨット部。入学後すぐに勧誘を受け、以来「キャンパスと海を往復する毎日」に。出田さんのペアは在学中、インカレ全国大会で二度優勝。4年次には日本代表として世界選手権に出場しました。「瞬時に変化する風を冷静に捉えつつ、失敗を恐れず積極的に前に出る。そんな闘い方、いわば生き方を体に刻み込みました」。世界選手権の舞台で、国際交流の機会を得たことも大きな収穫でした。「真の国際交流には互いへのリスペクトが大切だと実感しました」と振り返る出田さん。もう一つの出合いは合力先生のゼミ。早い時期からディベートを重視し、学生たちに自主的な学びを促していました。「情報やデータをそろえ、反論や質問を想定して準備して臨む。この学びで得た表現力や対話力などは、現在でもコミュニケーションを取る際や交渉を行う際にとても役立っています」。物事を広い視野で多面的に考える力も養いました。やがて迎えた就職活動の時期。出田さんは本当にやりたいことは何なのかを考えます。「自己を深く分析して出した結論は“農業が好きだ”ということでした」。 農産に関するエキスパートとして多忙な日々を送る出田さん。今までを振り返り、事を成す上で一番大切なのは、仲間の存在だと言います。「何であろうと真剣に取り組んでいれば、真剣な仲間が集まってくる。そんな仲間は最後まで付いてきてくれます」。出田さんは、正課授業での学びを通して視野を広げ、円滑なコミュニケーションや交渉を行う能力を磨き、クラブ活動では、失敗を恐れないチャレンジ精神やグローバルな行動力を身に付けました。 実社会では出田さんのように世界を視野に入れ、さまざまな課題に立ち向かっていかなければなりません。その時に必要なものは積極性や行動力。それらを十分に育む土壌が福岡大学にはあります。伊藤忠商事株式会社 農産部 農産・加工課商学部貿易学科 2000年卒業出田 大樹さんDaiki Ideta世界を視野に入れた活動の源は、大学時代に培った積極性と行動力。社会で活躍する卒業生からのメッセージ10BEST CHOICE 2017

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