平成30年度決算

令和元年7月

平成30年度学校法人福岡大学収支決算について

はじめに

学校法人福岡大学の平成30年度決算は、5月30日開催の理事会および評議員会で承認されました。

学校法人は「学校法人会計基準」に基づき会計処理を行い、所定の計算書類である「事業活動収支計算書」「資金収支計算書」「貸借対照表」を作成し、文部科学省に届け出る義務があります。それぞれの計算書に沿って概要を報告します。

決算の概要

1.平成30年度事業活動収支計算書について

「事業活動収支計算書」では、当該会計年度の事業活動に係る経常的な収支(教育活動収支と教育活動外収支)および臨時的な収支(特別収支)を区分して、それらのバランスを把握できるようにし、これによって学校法人の経営の採算性あるいは収支均衡の状態を判断することができます。

平成30年度事業活動収支における決算規模(事業活動収入計)は775億円となっています。また、事業活動収入計と事業活動支出計の差額(基本金組入前当年度収支差額)は1億8,800万円の支出超過で、基本金組入額は22億5,000万円を計上しています。

内訳を見ますと、教育活動収支差額では、経常的な収支のうち、本業の教育活動の収支を見ることができ、決算は15億9,900万円の支出超過で、予算と比較して支出超過額が5億9,000万円増加しています。この主な要因は、経常費等補助金が6億5,500万円減少したためです。

次に教育活動外収支差額では、経常的な収支のうち、財務活動の収支を見ることができ、決算は7億4,500万円の収入超過で、ほぼ予算どおりとなっています。なお、その他の教育活動外収入として収益事業会計からの寄付金収入を4,600万円計上しています。

経常収支差額では、経常的な収支バランスを見ることができ、決算は8億5,400万円の支出超過となりました。

特別収支差額では、資産売却や施設・設備関係の補助金等の臨時的な収支を見ることができ、決算は6億6,600万円の収入超過で、予算と比較して収入超過額が3億8,700万円増加しています。

基本金組入前当年度収支差額では、毎年度の基本金組入前の収支バランスを見ることができます。従来の帰属収支差額であり、決算は1億8,800万円の支出超過となりました。予算では収入超過を計上していましたが、決算では支出超過に転じ2億円悪化しています。

基本金組入額合計は、学校法人を維持するために必要な資産を継続的に保持するための組入額であり、決算は22億5,000万円で、予算と比較して16億1,200万円減少しています。この主な要因は、施設・設備関係支出が減少したためです。

当年度収支差額は、基本金組入前当年度収支差額から基本金組入額合計を控除したもので、学校法人会計基準では、基本金組入後の収支がバランスすることが望ましいと言われています。平成30年度決算は24億3,800万円の支出超過で、予算と比較して支出超過額が14億1,200万円減少しています。

また、経常収入を100%とした主な収入科目の構成比は、収入の3本柱である学生生徒等納付金が35.4%、経常費等補助金が5.5%、医療収入が50.5%で、これらの合計は経常収入の91.4%を占めています。経常支出の主な科目の構成比は、人件費が53.5%、教育研究経費が42.8%、管理経費が4.7%となっています。

2.平成30年度資金収支計算書について

「資金収支計算書」は、当該会計年度の諸活動に対応する全ての収入および支出の内容ならびに当該会計年度における支払資金のてん末を明らかにしています。お金の動きを全て網羅した計算書であるため、収入には前受金収入、その他の収入などが含まれ、支出では借入金返済支出、資産運用支出、その他の支出などが含まれます。

資金収支の合計額は1,350億円であり、前年度決算額と比較して64億4,900万円財政規模が拡大しています。拡大した主な要因は、資産売却収入が54億1,200万円増加したためです。

資金収支のてん末としての翌年度繰越支払資金は163億4,000万円で、前年度決算額と比較して6億1,900万円減少しました。

なお、取得施設・設備の詳細は、「平成30年度学校法人福岡大学収支決算について」の「平成30年度資金収支計算書」(2頁)の下に掲載している「平成30年度に取得した主な施設・設備」をご覧ください。

3.平成30年度活動区分資金収支計算書について

「活動区分資金収支計算書」は、「資金収支計算書」の内容を「教育活動」「施設整備等活動」「その他の活動」の3つの活動区分に分類して表示し、活動ごとの資金の流れを明確化するために作成されています。

「教育活動による資金収支」では、本業である教育活動のキャッシュベースでの収支状況を見ることができ、47億3,800万円の収入超過となっています。次に「施設整備等活動による資金収支」では、建物や機械器具などの施設・設備関係の収支を見ることができ、59億7,200万円の支出超過となっています。最後に、「その他の活動による資金収支」では、有価証券売却収入や購入支出、借入金の収入や返済支出、各種の特定資産からの取崩収入や繰入支出、税金等預り金などの収入や支出を見ることができ、6億1,500万円の収入超過となっています。上記の結果、支払資金の増減額は6億1,900万円の減少となりました。

正常な場合は教育活動で毎期プラスの資金収支差額が生まれ、それを施設等の設備投資に回し、もし足りなければ、足りない分をその他の活動(財務活動)で借入を行います。もしくは、教育活動で生じたプラスの資金収支差額をその他の活動で借入金の返済に回すことになります。いずれにしても、教育活動部分でプラスの資金収支差額が生まれないと、設備投資もできませんし、借入金の返済もできなくなり、過去の運用資産の蓄積を取り崩すことになります。

4.貸借対照表について

「貸借対照表」は、平成31年3月31日時点における資産、負債、純資産の内容および残高を表し、学校法人としての財政状態を明らかにするものです。

「資産の部」合計は本年度2,379億4,500万円となり、前年度と比較して6億9,300万円減少しています。また、「負債の部」合計は384億7,600万円となり、前年度と比較して5億500万円減少しています。その結果、基本金と繰越収支差額を合算した「純資産(自己資金)の部」合計は、1,994億6,900万円となり、前年度と比較して1億8,800万円減少しています。資産総額に含める純資産(自己資金)の割合は、83.8%で前年度から0.1ポイント増加しています。

平成30年度決算では、事業活動収支計算書における基本金組入前当年度収支差額で1億8,800万円の支出超過となり、本学において学校法人会計基準が施行された昭和46年度以降で初の支出超過となっています。今年度の基本金組入前当年度収支差額が支出超過となった要因としては私立大学等経常費補助金の25%減額の影響が大きいものの、本業の教育、研究、医療活動の収支を見る教育活動収支差額は、15億9,900万円の支出超過で4年連続の支出超過です。この教育活動収支に財務活動収支を加えた経常収支差額は、8億5,400万円の支出超過となり、直近3カ年のうち2カ年が支出超過に転じており、日本私立学校振興・共済事業団が作成している「定量的な経営判断指標に基づく経営状態の区分」によれば、本学が位置づけられる評価上の等級は、「正常状態」(A3)から「イエローゾーンの予備的段階」(B0)へとワンランク下がることになり、財政の立て直しが急務です。

18歳人口の減少、入学定員超過率の厳格化など、今後の日本における大学経営を巡る環境はより厳しさを増していきます。しかしながら、どんなに厳しい状況に直面しようとも、在学生やご父母、卒業生や地域社会といったステークホルダーの方々の期待に真摯に応えていかなければなりません。そのために本学は、大学運営の基礎となる財政の安定強化を図っていかなければならないとともに、教育・研究・医療のさらなる充実を実現すべく、限られた経営資源を選択と集中により有効に投じていかなければなりません。

関係者各位のご理解とご協力をよろしくお願いします。