平成29年度予算

平成29年4月

平成29年度 学校法人福岡大学収支予算について

学校法人福岡大学の平成29年度予算は、3月23日に開催された理事会および評議員会の承認により成立しました。平成29年度予算は、平成28年度予算と同様、①教育体制の整備・充実 ②研究・情報体制の整備・充実 ③医療・健康体制の整備・充実 ④社会貢献の整備・充実および⑤経営基盤の強化を重点施策に挙げて編成しています。以下、簡単にその概略を報告します。

教育関係では、平成29年度の新規事業として、図書館情報システムの更新を予定しています。また、平成27年度に新設した新入生を対象に入学前に給付を確約する奨学制度である「七隈の杜 給付奨学金」「七隈の杜 第3子以降特別給付奨学金」の継続事業に加え、アジア諸国との関係を中心としたグローバルな人材の育成事業等が盛り込まれています。研究関係では、基盤研究機関研究所として8研究所、産学官連携研究機関研究所として11研究所が設置され、さらに、研究ブランディング事業が新設されています。施設関係では、平成27年度からの3カ年継続事業となる「工学部棟(仮称)新築工事」および「5号館別館他8棟耐震改修工事」が予定されています。さらに、学長のガバナンス強化のため「学長裁量経費」を計上しています。

さて、「学校法人会計基準の一部を改正する省令」(平成25年4月22日文部科学省令第15号)が発出され、従来の消費収支予算は、「事業活動収支予算」という名称に変更されています。事業活動収支予算では、近年の臨時・事業外の収支の増加を踏まえ、区分経理を導入し収支を経常的なものと臨時的なものに、さらに経常的な収支を教育活動と教育活動外に分けて把握することができます。また、近年の私学を取り巻く経営環境の変化に対応するため、毎期の収支バランスを見るのに適した基本金組入れ前の収支差額も表示されるようになりました。

それでは、本法人の平成29年度事業活動収支予算について説明します。経常的な収支のうち、本業の教育活動の収支を見る教育活動収支差額は、マイナス8億5,200万円となり、前年度予算との比較で5億3,900万円減少しています。これは、学生生徒等納付金が2億6,300万円減少したことと、医療収入が5億1,400万円減少した一方で、教育研究経費が2億5,300万円増加したためです。教育活動外収支差額は、経常的な収支のうち財務活動の収支状況を見ることができるもので、5億5,800万円となり前年度予算との比較で8,000万円減少しています。これは、受取利息・配当金が1億1,900万円減少したためです。教育活動収支差額と教育活動外収支差額を合わせた経常収支差額はマイナス2億9,300万円となり、前年度予算との比較で6億1,800万円減少しています。施設・設備関係の補助金、資産売却や処分等の臨時的な収支を見ることができる特別収支差額は7億4,400万円となり、前年度予算との比較で4億5,700万円増加しています。従来の帰属収支差額に相当する基本金組入前当年度収支差額は、毎年度の収支バランスを見ることができるもので1億400万円となり、前年度予算と比較してほぼ同額となっています。良好な教育・研究・医療環境を維持するための施設・設備等の取得費である基本金は、50億6,600万円となっています。以上の結果、当年度収支差額はマイナス49億6,300万円となっています。

従来の帰属収支差額比率に相当する事業活動収支差額比率は、0.1%です。一方、経常収入に対する人件費比率は、54.0%であり上昇傾向に歯止めがかかっていません。事業活動支出の中でも最大の部分を占めており、経営指標では50%以下が望ましいとされているため、引き続き注意を払う必要があります。

本法人の平成29年度事業活動収支予算は、毎年度の収支状況を判断する基本金組入前当年度収支差額の点で、前年度とほぼ同額ですが、経常的な収支状況を表わす経常収支差額の点で支出超過であることや予期しない支出に対応する予備費を減額していることを考慮すると、安定性および弾力性に欠けた予算であると言わざるを得ません。また、良好な教育・研究・医療環境を維持するための施設・設備等の取得費である基本金と比較すると、基本金組入れ余力以上に投資が行われていることになります。この状態が長期間続けば、将来的な設備投資余力が小さくなり、教育・研究・医療の永続性が担保できなくなります。

18歳人口が再び減少する2018年問題、私立大学等経常費補助金が不交付になる入学定員超過率の厳格化、大学設置基準による平均入学定員超過率に係る要件の厳格化、さらには、平成31年10月に予定される消費税率の10%への引き上げ等、福岡大学をめぐる経営環境は、これから厳しさを増す一方です。

今後、学生生徒等納付金が確実に減少する中、「福岡大学ビジョン2014-2023」に基づく事業計画を積極的に支援し、限られた予算財源を重点事業に傾斜配分するとともに、一方では、経常的な経費について、コストに見合う教育・研究・医療サービスを提供しているか、点検・見直しを行っていくことが必要になってきます。

本法人では、学校法人会計基準が求める「学校法人の作成する計算書類等の内容がより一般にわかりやすく、社会から一層求められている説明責任を的確に果たすことができるものとする」という考え方を実践していきます。

本学関係者のご理解とご協力をよろしくお願いします。