福岡大学学園通信 No64
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30FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE January 2019五大栄養素には、エネルギー源となる「炭水化物」、筋肉や内臓など体のもとになる「たんぱく質」、発育や体温調節を助ける「脂質」、他の栄養素の働きをサポートする「ビタミン」、体の機能を維持するために必要な「ミネラル」があります。最近では「食物繊維」が第六の栄養素として加わり、これらをバランスよく取ることが健康の基本です。特に若い層では野菜の摂取量が少ないため(表1)、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足する傾向にあります。普段からどの食品にどの栄養素が含まれるかをチェックするのは大変ですが、主食と主菜は毎食1皿、副菜は2つ程度、乳製品や果物は1日1つまでと大枠を決めることで、満遍なく栄養素を摂取できます(表2)。コンビニなどで食品を選ぶ際もおにぎりやパンだけでなく肉や魚、野菜を添え、外食時も品数を増やして仲間とシェアすれば、多くの栄養素を取ることができます。また、野菜ジュースやサプリメントよりも、噛んで食べる食品の方が消化管の働きが刺激されるため、栄養素の吸収が良くなります。栄養素の役割を知り、「食事改革」を始めよう教えてくれたのは福岡大学病院栄養部 副技師長管理栄養士倉橋 操さん「食は習慣」意識の差が健康の差に豊富な栄養素の摂取は免疫力向上に効果的食事バランス・量をチェックしよう!Good Life     サポート栄養のバランスを欠いていても、特に若いうちはすぐに体調不良を起こすわけではありません。しかし長期間にわたってアンバランスな食生活が続くと、将来、生活習慣病につながる可能性が高くなります。その時に慌てて食習慣を変えても、健康な体に戻すにはとても長い時間がかかってしまいます。そのため、普段から栄養バランスを意識した食生活が必要です。しかし、あまり制限し過ぎても長続きしません。菓子類やお酒も適度に取りながら、100%の達成を目標にはしないのがよいでしょう。冬は風邪やインフルエンザの発症リスクが高まります。腸の免疫力を高める食物繊維やビフィズス菌などを意識して取ることをお勧めはしますが、予防の基本は普段からさまざまな栄養素を摂取しておくことです。※1 丼物1杯やカレー1皿などは、主食1+主菜1で考えます。 ※2 主食や主菜の量は年齢や活動量によって多少の違いがありますので、目安の量を記載しています。※3 分類や量がわからないものについては、管理栄養士に相談しましょう。主 食毎食1つ程度※菓子パンは菓子類に分類ご飯:茶碗1杯食パン(6枚切り):1枚そば:1杯主 菜毎食1つ程度焼き魚:1切肉ソテー(薄切り肉):4~5枚豆腐:1/2丁副 菜毎食2つ程度芋類は1日1つ野菜煮物:1皿ポテトサラダ:1皿味噌汁:1杯果 物1日1つりんご:1/2個バナナ:1本みかん:2個乳 類1日1~2つ牛乳:1杯ヨーグルト:1杯チーズ:1切無糖飲料特に制限なしお茶・水無糖コーヒー菓子・加糖飲料1日1つまでチョコレート:3個アイスクリーム:1個ジュース・加糖コーヒー:各コップ1杯酒 類1日1つまでビール350ml:1本日本酒:1合ワイングラス:2杯食品例目安量表1:野菜摂取量の平均値(20歳以上、性・年齢階層別)表2:栄養バランスシート参考:「健康日本21(第二次)」(厚生労働省)の目標 野菜の摂取量の増加目標値:野菜摂取量の平均値 350g1000200300400(g/日)300400(g/日)2001000その他の野菜(g)緑黄色野菜(g)野菜の摂取量が350g以上の者の割合(%)100203040(%)3040(%)20100総数20-29歳30-39歳40-49歳50-59歳60-69歳70歳以上89.585.764.369.075.480.875.576.487.683.4100.590.4100.8192.4154.2218.4156.9170.7192.2221.2205.4281.9232.3246.3279.8321.7306.229.014.617.422.128.633.938.296.1209.6195.9176.4193.2215.5227.8221.232.327.425.827.131.937.635.8295.4264.9257.1269.5298.9318.2317.3男性女性食物に含まれる栄養素は、私たちの体に必要な成分。体を作る、エネルギー源となる、体調を整えるなどの役割があります。栄養バランスを意識した食事は、健康的な生活を送る上での基本といえます。

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