福岡大学学園通信 No63
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 2018年5月現在、365人の看護師が勤務。認定看護管理者が5人、認定看護師が12人在籍する。2人の看護師がパートナーとして相互に補完し合いながら活動し、成果と責任を共有する「PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)看護方式」を採用している。福岡大学筑紫病院 看護部2016年10月、神奈川県在住のカメラマンが太宰府市で倒れて筑紫病院に緊急搬送されてきました。一命は取り留めたものの入院が長引き、ご家族は自宅近くへの転院を希望。しかし、気圧が変化する飛行機での移動はリスクを伴います。さまざまな状況を想定して航空会社とも交渉を重ね、当日は医師と看護師が添乗。「無事転院先に到着した時の患者さんの表情、ご家族の感謝の言葉は忘れることができません」。終末期を迎えた患者さんの「娘の結婚式に出席したい」という希望を叶え、病室での結婚式を実現したこともある看護部。「患者さん一人一人に物語があります。その物語を語れる看護師になってほしい」と願う樋口看護部長を中心に「人間性豊かな患者中心の看護」を実践しています。患者さん一人一人の「物語」を語れる看護師にら、「患者さんが自分の手を離れた後、誰にどのような看護を受けたのかが分かって安心した」という声も挙がり始めました。「直接会って話し、人となりを知っている看護師さんなら、安心して患者さんを託すことができる」と引き継ぎもスムーズになり、地域医療が円滑に進むようになったのです。「地域の看護師がFace to faceでつながることで、患者さんやご家族にも安心感を持ってもらえている」と樋口靖子看護部長は語ります。 看護部には「人間性豊かな患者中心の看護を実践する」という理念のもと、「誠実・責任・創造」という行動指針があります。樋口看護部長は「理念を実現するために今後特に大切なことは〝創造〞です。看護師一人一人が考え、柔軟に行動できる意識の浸透と人材育成が目標」と語ります。 高齢化がさらに進む中、筑紫病院看護部の役割はますます大きくなっています。急性期、精神科、在宅などの領域をテーマにした研究発表会地域の看護師などが集まり、年2回開催している研修会2015年から始まった「皮膚・排泄ケア」の研修会園田 みずきさん皮膚・排泄ケア認定看護師(左から)久保 伸子さん副看護部長川下 由香里さん副看護部長28FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE October 2018Close-up飛行機で患者さんを搬送飛行機で患者さんを搬送

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