福岡大学学園通信 No62
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1983年、福岡市医師会成人病センターとして開設。福岡大学が福岡市医師会から事業譲受し、2018年4月1日付で福岡大学西新病院に。診療科目は内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、呼吸器内科、感染症内科、血液リウマチ科、放射線科、小児科。病床数は120床。福岡大学西新病院 「こども病院の移転後、近隣に入院機能のある小児科がなかっただけに、24時間、365日体制で診療に当たる本病院小児科の担う役割は大きい」と語る本病院成育医療支援センター長の井上貴仁先生。「全国的な少子化の中で福岡市は子供の数が増加しており、小児医療の需要が高い地域」と指摘します。 小児の入院患者は感染症患者が多いため、感染予防の観点から複数の部屋を個室に改装して15床準備。開院直後から紹介や問い合わせが相次ぐなど予想以上の反響があり、「将来的にはスタッフの増員や増床の必要性も感じている」と、井上先生。 「高度先進医療を提供する福岡大学病院と、地域のかかりつけ医をつなぐ懸け橋の役目も果たしたい」と、強い使命感を胸に日々の診療に当たっています。24時間・365日体制で小児救急医療に対応。福大病院と地域の懸け橋になど教育にも力を入れていきます。福岡大学病院で「高度急性期」を中心とした対応について学ぶと同時に、地域の医療現場にも精通した医師の育成を目指します。 前職で福岡大学病院救命救急センター長を務めていた病院長の石倉先生は、福岡都市圏西部エリアの急性期医療が逼迫している状況を肌で感じていたと言います。これまで幾つかの地域の病院が主になって重症患者を受け入れてきましたが、その一端を本病院が担うことで地域医療の充実を図るよう、さらに地域医療機関との連携も進めています。 「高齢社会の到来で、個々の病院だけで地域医療を支えることは難しくなっています。医療機関による競争の時代は終わり、今や協調が不可欠です」と、医療連携の必要性を訴えます。循環器撮影室では心臓カテーテル検査などが行われ、急性心筋梗塞や重症心不全などの重症かつ緊急の患者さんの治療に当たっています消化器内科、循環器内科に加えて呼吸器内科にも専門医が常駐するようになったことで、新たに設備を導入して気管支鏡検査にも力を入れています新設された小児科では常勤する3人の専門医を中心に、福岡都市圏西部エリアで課題となっていた小児患者の救急医療にも対応しています勝田 洋輔先生(左)副病院長石倉 宏恭先生(中央)病院長入江 真先生(右)副病院長30FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE June 2018Close-upひっぱく

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