福岡大学学園通信 No61
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04FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE April 2018新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本日、福岡大学に入学された学部学生4,566人、大学院学生254人の皆さんに、心からお祝い申し上げます。最初に、皆さんが入学されたこの福岡大学について、ご紹介したいと思います。福岡大学は、今年で創立84年を迎える、歴史と伝統のある大学です。建学の精神として、次の4つを掲げています。一、「思想堅実」…考え方がしっかりしており、独断や偏見にとらわれないこと二、「穏健中正」…温和で包容力があり、バランス感覚に優れていること三、「質実剛健」…誠実で責任感が強く、何事にも屈しないこと四、「積極進取」…新しいこと、困難なことに、自ら進んで取り組むこと本学はこの建学の精神のもと、自発的で創造性豊かな人材を育成し、社会の発展に寄与することを使命としています。これまでに送り出した卒業生は、26万2千人を超え、社会の各方面で活躍し、今日の地域社会、国際社会を力強く支えています。卒業生の活躍は、本学にとって誇りであり、きっと皆さんにも勇気と希望を与えてくれるでしょう。本学は、一つのキャンパスに9学部31学科、大学院10研究科34専攻の全てが集積する全国でも稀な総合大学です。大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンが丸々収まるほど広大なキャンパスでは、学生が日々切磋琢磨しています。専門知識の修得はもちろん、さまざまな人と出会い、多様な文化や価値観に触れることで、コミュニケーション力など社会人としての基礎的な力を身に付けられることも、本学の大きな特徴です。ここ数年、「ダイバーシティ」という言葉をよく耳にすることと思います。直訳すると「多様性」です。世界には人種・国籍・性別・宗教など、さまざまな違いを持つ人々が存在しており、独断や偏見を持たず多様性を認め合い、お互いを尊重することが求められています。また、AIやIoTなど情報技術の発展に伴い、産業構造やわれわれの生活環境は大きく急速に変化しています。このような時代において、多様性や変化に臆することなく、幅広い視野と高い志を有し、新たな時代を切り拓くことのできる人材が必要とされています。2万人の学生と4千人の教職員が集う、多様性溢れるこのキャンパスで、失敗を恐れることなく、多くのことに挑戦し、激変する時代を生き抜く力を身に付けてほしいと願っています。大学での学びは、高校までとは大きく異なります。専門的な知識を学ぶことはもちろんですが、今まで蓄積してきた知識を組み合わせ、新たな知恵を生み出すことが必要です。大学では講義、実験・実習、ゼミ・研究室などでの学びを通して、幅広い教養と深い専門知識を修得していきます。それらの学びは他者から与えられるものではなく、自らの意志と行動により得られるものです。ぜひ、建学の精神にある「積極進取」の気概をもって、積極果敢に学問を究めてください。皆さんは今、これから始まる大学生活に大きな期待を抱き、また新しい生活環境への不安を覚えていることでしょう。授業はもとより、クラブ、サークル、ボランティア活動など、自分の意志で積極的に参加することにより、得られる経験や知識の質や量は大きく変わります。加えて、在学中に築いた学友との信頼関係は、必ずや将来の支えとなります。福岡大学での学びや経験により、皆さんが人として大きく成長されることを祈念し、私の式辞といたします。本日はご入学、誠におめでとうございます。平成三十年四月一日福岡大学長 山口 政俊26万人を超える卒業生が社会の各方面で活躍「学び」とは自らの意志と行動で得られるもの

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