福岡大学学園通信 No61
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医療情報地域医療の中核としてきめ細やかな医療連携を推進地域の医療機関と連携して高度・急性期医療を担う顔の見える信頼関係を築き紹介・逆紹介率がアップ〝あたたかい医療〞を基本理念として、地域における医療の中核的役割を果たしている福岡大学病院。特定機能病院として高度先進医療を提供し、急性期病院として救命救急の患者さんを受け入れています。「本病院では、地域の医療機関や福祉施設から患者さんをご紹介いただき、急性期の治療を終えた患者さんは地域の医療機関や施設などに逆紹介します。お互いが連携を取りながら、患者さん一人一人が安心して適切な治療を受けられるように努めています」と宮本新吾副病院長は話します。その要となっているのが、地域医療連携センター。2002年5月に看護師2人で「地域医療連携室」として始まり、その後スタッフを増員。14年4月には「地域医療連携センター」と改称して機能を拡充しました。現在は宮本副病院長がセンター長を務め、医師1人、看護師9人、メディカルソーシャルワーカー6人、事務員12人の総勢29人が業務に当たっています。センターの業務の柱は、前方連携と後方連携、医療相談窓口の3つです。前方連携は、地域の医療機関等から紹介された患者さんがスムーズに受診できるように予約手続きや患者さんへの説明などを行う、いわば病院の入口部分。そこで重要なのが信頼前方・後方連携、相談窓口を軸に地域とつながる関係。担当看護師長の西山道代さんは次のように話します。「紹介元の先生から紹介状を受け取るのですが、それに対して、経過報告などきちんと返事を出すことがとても重要です。地域の先生方に信頼されてこそ、安心して患者さんをご紹介いただけ、地域全体で役割に応じた医療が提供できます。また本病院では、診療科の医師やセンターのスタッフが地域の病院を訪問したり、合同の勉強会も開いたりしています」。後方連携では、本病院で治療を終えた患者さんの転院や退院をサポートします。担当看護師長の前田知恵美さんは「外来や病棟のスタッフなどと協働で、患者さんが安心して転院や退院できるように支援します。それぞれの患者さんに最も合うところをご紹介できるように、日頃からできるだけ地域の医療機関などに足を運んで現場を知り、ネットワークを築いています。また、患者さんがお困りのときは、その内容に応じてソーシャルワーカーの力も借ります」と説明します。医療相談窓口担当でソーシャルワーカーの田村賢二さんは、社会福祉的な立場から、患者さんやご家族が抱える心理的・社会的な問題の解決を図り、社会に復帰できるようサポートしています。新館一階には「かかりつけ医」紹介コーナーを設置。地域にあるクリニックの院長や外観写真、診療内容などを載せた独自のリーフレットを作り、自由に持ち帰ってもらえるようにしています。人の生命に寄り添い、病気の治療と予防に立ち向かう福大医療と医療人のレポートヒポクラテスの系譜Medical Report宮本 新吾先生(前列)福岡大学病院 副病院長地域医療連携センター長西山 道代さん(後列中央)前方連携担当 看護師長前田 知恵美さん(後列左)後方連携担当 看護師長田村 賢二さん(後列右)医療相談窓口担当ソーシャルワーカー33FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE April 2018

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