福岡大学学園通信 No61

24/44

学部卒業生３,８８３人の皆さん、ならびに大学院修士課程および博士課程前期修了生１６２人の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんはめでたく卒業式を迎え、大学生活の思い出が蘇っていることと思います。希望や不安を抱いて入学した日から今日までの大学生活は、あっという間に過ぎ去ったと感じている人が多いと思います。約２万人の学生が集うこのキャンパスで、専門的知識や技術の習得、かけがえのない仲間との出会い、クラブ活動・ボランティア活動などのさまざまな経験によって得た新たな気付きなど、数多くの学びや発見があったことでしょう。皆さんが歩むこれからの社会は、科学技術の目覚ましい進歩により、従来の考え方や方法が通用しなくなることが確実となっています。多くの分野で注目を集める人工知能「ＡI」は、２０１０年代に入り急速に発展しています。２０３０年代には「第4次産業革命」がさらに進み、技術革新による新たな経済発展や社会構造の変革がもたらされるとも言われています。これは、機械が人間にとって代わり、生産活動を行うというものです。あるイギリスの学者は２０１４年に「今後10年から20年で、アメリカの総雇用者の約47％の仕事が自動化される」と予測しています。日本においては「約49％の職業が人工知能とロボット等で代替可能」との予測もあります。このような、変貌を遂げる社会だからこそ、人として重要となるものがあります。それは「前向きな姿勢」と「コミュニケーション力」です。科学技術の進歩により「働き方」が変わったとしても、自ら課題を発見し、他者と協働してその解決を図り、新しい知や価値を創造する力が重要視されるのです。これからの社会を担っていくには、未来を23FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE April 2018「前向きな姿勢」と「コミュニケーション力」アクティブな挑戦に決して失敗はない学生生活卒業式福岡大学での学びが未来を切り拓く原動力となる学長式辞