福岡大学学園通信 No61
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第一食堂です。一人暮らしをしていることもあり、昼食、夕食は毎日のようにお世話になっています。よく注文するのは栄養のバランスが取れた定食。手頃な価格も嬉しいです。高校時代から公務員を志望しており、法学部に行けば公務員試験に関する幅広い勉強ができると考えたからです。環境を変えるために地元の熊本から県外に出たい気持ちがあり、その中でも総合大学である福岡大学は学生の数も多く、いろいろな出会いが得られると思いました。今はそれを実感しています。を書き留める練習を積みました。終了後はメモをお互いに見せ合って、より分かりやすいものにするための改善点を話し合います。 昨年の後期から活動が本格化。実際に授業でのノートテイクが始まりました。今ではスタッフも10人まで増え、交代で授業に入っています。 公務員を目指して福岡大学に入学した大田さんは、授業を中心とした学生生活を送りながら、アルバイトにも精を出してきました。活動の幅を広げようと幾つかサークルにも入りましたが、もっと別のことに挑戦してみたいと考え、2年次生の春休みにはボランティアへの参加を考えていたと言います。ノートテイクの存在を知ったのは、ちょうどそんな時でした。 「障がいのある方と接する機会は、そうあることではないので、ぜひ参加したいと思いました。ボランティアの内容も明確で、すぐに興味を持ちました」と参加を即決。訓練を重ね、経験を積んでいくうちに書くスピードも上がり、要約するポイントも少しずつ分かってきたと言います。 依頼者の学生からは、授業のことに加え学生生活のことを聞かれることも多く、先輩としても頼りにされています。「障がいのある人と接して、その大変さが少しは分かるようになり、福祉関係の仕事にも関心を持つようになりました」。 公務員試験に向けて、現在エクステンションセンターの講座を受けている大田さんですが、活動は続けていく予定です。「関心を持って続けられるものが、やっと見つかりました」。その笑顔は、充実感にあふれていました。 授業が始まると、聴覚障がいのある学生を挟んで着席したスタッフ2人は、ひたすらペンを動かし続けます。先生の話を整理しながら書き留めていき、隣に座る学生はその記述を見て授業の内容を理解します。授業が終わるとそのメモを学生に渡し、「ノートテイク」の任務は終了します。 「まずは大きく分かりやすい文字を書くことを心掛けています。授業の内容に遅れないようにメモを取るスピードも求められます」と大田さん。「自分が授業を受ける時以上に、集中して話を聞いていますね」。 授業内容を漏らさずにメモしていくには、さまざまな工夫や技術が欠かせません。漢字は画数が多いため原則としてカタカナで書き、法律用語などは略語で表記。スムーズに書けるよう、筆記具にもこだわります。 「自分たちの書くメモを見ながら依頼者は授業を受けますから、頼りにされているという喜びと同時に、大きな責任を感じます」 ノートテイクを行うボランティアサークル「コパン」は2017年春に創設されました。大田さんを含む3人が参加。ノートテイクの活動経験がある理学部准教授の杉万郁夫先生の協力も得て、実際に話している内容法学部法律学科へ入学1、2年次は授業を中心とした学生生活を送りながら、公務員試験の勉強も始める。サークルにも所属する傍ら、ディスカウントストアでのアルバイトに力を入れる。「コパン」に参加2年次生の春休み、学内イントラネットであるFUポータルでノートテイクのボランティア募集を知り参加を決意。「コパン」の立ち上げ代表に。杉万先生の指導のもと、話し言葉を分かりやすくノートに書き留める練習を積む。「ノートテイク」の活動スタート2017年後期から、聴覚障がいのある学生が希望する授業に同席し、ノートテイクの活動を本格的にスタート。授業内容を書き留める「ノートテイク」で聴覚障がい者を支援物足りず、転々としたサークル活動「続けられるものが、見つかった」大田さんの自分年表キャンパスライフ一問一答大田さんのノートには「大きく、分かりやすい文字で書くことを心掛けている」と大田さん。一方で、授業に遅れないようにメモを取るスピードも求められ、訓練によってスキルを磨いている16FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE April 2018学内でお気に入りの場所はどこですか?Q.福大法学部を選んだ理由は何ですか?Q.ゼミの仲間とキャンプへ(左が大田さん)

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