福岡大学学園通信 No60
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肺を中心に、喉から横隔膜までの領域(乳腺・心臓を除く)を診療範囲としています。病床数は34床。外来は新館2階にある呼吸器センターで呼吸器外科とともに診療を行っています。福岡大学病院呼吸器内科人の生命に寄り添い、病気の治療と予防に立ち向かう福大医療と医療人のレポートヒポクラテスの系譜複数の呼吸器疾患に対応できるスペシャリストの育成を目指す 昨今、喫煙に関連した「たばこ病」と呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や、肺がんの有病率が顕著です。特に肺がんは日本人男性のがん死の中で最多で、福岡大学病院呼吸器内科でも、入院患者数の5割以上を占めます。 「肺がんは〝完治する〞ということが現地点で言い切れない難しい病気ですが〝分子標的薬〞というがん細胞の異常な分裂や増殖を抑える薬が開発され、昔に比べると随分と延命率が高くなりました。完治はできずとも、がん細胞の数を抑え込む形での治療を進めています」と話すのは、呼吸器内科診療部長の藤田昌樹先生。福岡大学病院では新薬を積極的に取り入れており〝免疫チェックポイント阻害薬〞という自己免疫再活性化を促進する薬剤の臨床応用も進んでいます。2年ほど前から40〜50例の治療を実施しており、データを蓄積することで患者さんに対する、より効果的な治療を模索しています。 「肺がんと肺炎」など、複数の疾患を4医療情報超音波を使った内視鏡手術など、最先端の気管支内視鏡を利用した検査・治療の開発に力を入れています27FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE January 2018増加する呼吸器疾患の対応へ総合的な治療体制の構築を目指すへい そく藤田 昌樹 先生福岡大学医学部呼吸器内科学 主任教授福岡大学病院呼吸器内科 診療部長MASAKI FUJITA

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